支払金額の場合の数

 

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お金の支払金額の場合の数に関する問題について考えていきます。

 

(例題1)
次の場合、お金の全部または一部でちょうど支払える金額は何通りか。ただし硬貨は1枚以上使うものとする。
(1)10円硬貨5枚、100円硬貨3枚、500円硬貨3枚
(2)5円硬貨4枚、10円硬貨3枚、100円硬貨2枚

 

 

支払い金額の場合の数なので、同じ金額なら硬貨の組み合わせが違っても同じものと考えます。(1)は特に気にしなくてよいのですが、(2)は5円硬貨が4枚あるので、例えば5円2枚と10円1枚だと同じになるので注意が必要です。
(解答)
(1)
500円硬貨の出し方は、\(0,1,2,3\)枚の4通り
100円硬貨の出し方は、\(0,1,2,3\)枚の4通り
10円硬貨の出し方は、\(0,1,2,3,4,5\)枚の6通り
よって積の法則より \(4×4×6=96\) 通りで、1枚も硬貨を使わない場合を除くと
\(96-1=\)\(95\)(通り)

 

(2)
5円硬貨2枚と10円硬貨1枚が同じ金額になるので(1)の方針そのもので考えると重複して数えてしまうことになります。そこで、5円硬貨4枚、10円硬貨3枚だけで払える金額を考えて、5円硬貨、10円硬貨の場合をまとめます。あとは5円硬貨、10円硬貨を全部使っても100円にはならないので、積の法則で答えを出します。
5円硬貨と10円硬貨を使って支払える金額は\(0\)円のときも含めると
\(0,5,10,15,20,25,30,35,40,45,50\)円の\(11\)通り
100円硬貨の出し方は、\(0,1,2\)枚の\(3\)通り
よって、求める場合の数は1枚も硬貨を使わない場合を除いて
\(11×3-1=\)\(32\)(通り)

 

結局、5円硬貨4枚、10円硬貨3枚で払える金額は、10円硬貨3枚を5円硬貨6枚とすれば、5円硬貨10枚で払える金額と同じになります。

 

 

(例題2)
10円、50円、100円の3種類の硬貨をどれも使って、ちょうど400円を支払う方法は何通りあるか。ただしどの硬貨も十分な枚数を持っているものとする。

 

 

今度は、同じ金額の場合での支払う方法の場合の数です。例えば100円4枚と10円40枚は別々のものです。(そもそも別々として考えないと問題が成り立たない)
どれも1枚は必ず使用するので、先にその分を400円から減らしてしまいましょう。次にそれぞれの硬貨の枚数を文字でおいて、方程式を立てます。あとはその方程式の解の組み合わせの個数を数えればよいです。
(解答)
どの硬貨も使うため、\(400-(10+50+100)\)\(=240\)(円) の支払い方法を考える。
使用する\(100,50,10\)円硬貨の枚数をそれぞれ\(x,y,z\) (ただし\(x,y,z\)は\(0\)以上の整数) とすると、

\(100x+50y+10z=240\) つまり

\(10x+5y+z=24\)・・・①

 

文字3つの方程式1つを解くのですが、\(x,y,z\)は0以上整数であることからかなり解が絞られます。例えば\(z\)の最大値は \(z=24-(10x+5y)\) より、\(x=y=0\) のとき \(24\) となるので、\(0≦z≦24\) です。同様に \(0≦y≦4\), \(0≦x≦2\) となるので、一番範囲がせまい\(x\)で場合分けします。場合分けする文字を見つけるコツは係数が一番大きい文字に着目することです。
①より、\(x=\displaystyle\frac{1}{10}\{24-(5y+z)\}\) だから
\(0≦x≦2.4\) で \(x\)は整数だから \(x=0,1,2\) の場合を考えればよい。

 

(1)\(x=0\)のとき
①は、\(5y+z=24\)
これを満たす\(0\)以上の整数解は
\((y,z)=(0,24),(1,19),\)\((2,14),(3,9),(4,4)\)

(2)\(x=1\)のとき
①は、\(5x+z=14\)
これを解くと
\((y,z)=(0,14),(1,9),(2,4)\)

(3)\(x=2\)のとき
①は、\(5x+z=4\)
これを解くと
\((x,y)=(0,4)\)

 

(1)~(3)は同時に起こらないので、求める場合の数は
\(5+3+1=\)\(9\)(通り)

 

 

実際に支払いに使う枚数は(1)~(3)の\(x,y,z\)に\(1\)を足したものになりますが、\((x,y,z)\)が違えば、\((x+1,y+1,z+1)\)も違うので、①の解の個数が求める答えとなります。

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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