係数決定(最大・最小値)

微分を利用した最大最小値に関する、関数の係数決定の問題について見ていきます。

 

(例題1)
関数 \(f(x)=x^3+3ax^2\) (\(a>0\)) が、 \(-2≦x≦2\) において最大値\(24\)をもつとき、\(a\)の値を求めよ。

 

 

微分して関数の増減を調べます。
なお本問は、区間が定まっていて関数が変化するタイプになります。

(解答)
\(f(x)=x^3+3ax^2\) \(-2≦x≦2\) において

\(f'(x)=3x(x+2a)\)
\(f'(x)=0\) となるのは
\(x=0,-2a\)

\(a>0\) より、 \(-2a<0\) であり、
\(x=0\)のほう(極小値のとき)は固定なので、もう一方の \(x=-2a\) のときが、区間 \(-2≦x≦2\) に入るかどうかで場合分けします。

① \(-2<-2a<0\) のとき
つまり \(0<a<1\) のとき
増減表は次の通り。

微分 最大最小 係数 例題1-1

よって最大値は、
\(f(-2a)=4a^3\)
\(f(2)=8+12a\)
のどちらかになるが、\(0<a<1\) のとき
\(8+12a>8\), \(4a^3<4\) より
\(f(2)>f(-2a)\)

したがって最大値が\(24\)だから
\(8+12a=24\)
\(a=\displaystyle\frac{4}{3}\)
\(0<a<1\) を満たさないので不適。

 

② \(-2a≦-2\)
つまり \(a≧1\) のとき
増減表は次の通り。

微分 最大最小 係数 例題1-2

よって最大値は
\(f(-2)=-8+12a\)
\(f(2)=8+12a\)
のどちらかになるが、\(a≧1\) のとき
\(f(2)>f(-2)\) となる。

よって最大値が\(24\)より
\(8+12a=24\)
\(a=\displaystyle\frac{4}{3}\) (\(a≧1\)を満たす)

以上より
\(a=\displaystyle\frac{4}{3}\)

 

 

 

(例題2)
\(a\) を実数の定数とし、\(f(x)=x^3-3ax^2+a\) とする。\(x≦2\) の範囲で \(f(x)\) の最大値が\(105\) となるような\(a\)をすべて求めよ。

 

 

 

同様に微分して増減を調べます。

(解答)
\(f(x)=x^3-3ax^2+a\) において

\(f'(x)=3x(x-2a)\)
\(f'(x)=0\) となるのは
\(x=0,2a\)

\(0,2a\) の大小を考えて
①\(a=0\), ②\(a<0\), ③\(a>0\) で場合分けします。
区間が \(x≦2\) なので、③をさらに \(2a=2\) つまり、\(a=1\)を境目に場合分けします。

① \(a=0\) のとき
\(f(x)=x^3\) であるから、最大値は \(f(2)=8\) となり不適。

② \(a<0\) のとき
増減表は次の通り

微分 最大最小 係数 例題2-1

よって最大値は \(f(2a)\) ,\(f(2)\) のどちらかになる。

それぞれ\(105\)になる\(a\)を求めます。ただしもう一方がそれ以下になることも、しっかりと確認します。

(ア)\(f(2a)=105\) のとき
\(-4a^3+a=105\)
\((a+3)(4a^2-12a+35)=0\)
\(4a^2-12a+35=0\) の解は虚数解だから
\(a=-3\) (\(a<0\)を満たす)

このとき
\(f(2)=8-11a=41<105\)
となるから適する。

(イ) \(f(2)=105\) のとき
\(8-11a=105\)
\(a=-\displaystyle\frac{97}{11}\)

このとき
\(f(2a)=-4a^3+a=-a(4a^2-1)\)

\(a≒-8\) としてざっくり計算しても
\(f(2a)=8(4\cdot64-1)\) となるから、\(105\)より大きいです。

ここで、\(a<-8\) だから
\(-a>8\) , \(a^2>64\) であり
\(f(2a)>8(4\cdot64-1)>105\)
となるから不適。

③\(a>0\)のとき
\(0<2a<2\) と \(2a≧2\)
つまり
\(0<a<1\) と \(a≧1\) で場合分けした増減表は次の通り。

微分 最大最小 係数 例題2-2

\(0<a<1\) のときは最大値が\(f(0)\)か\(f(2)\)であり、
\(f(0)=a=105\)
\(f(2)=8-11a=105\)
のいずれの場合にも、\(0<a<1\) を満たさず不適。

\(a≧1\) のときは最大値が\(f(0)\)で
\(f(0)=\)\(a=105\) で適する。

 

以上より
\(a=-3,105\)

 

 

②\(a<0\)について \(f(2a)\),\(f(2)\)の大小比較を予めしておいても良いと思います。
\(f(2a)-f(2)=-4a^3+a-(8-11a)=-4(a-1)^2(a+2)\)
より、\(a=-2\)を境目に大小が入れ替わります。そうすると
(ア)\(a=-3\) の場合が適当で、(イ)\(a=-\displaystyle\frac{97}{11}\) のほうが不適であることがすぐに分かります。

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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