曲線と円の共有点の個数

曲線と円の共有点の個数に関する問題について見ていきます。

 

(例題)
\(a\) を正の実数とする。座標平面上の曲線\(C\)を \(y=ax^3-2x\) で定める。原点を中心とする半径\(1\)の円と\(C\)の共有点の個数が\(6\)個であるような\(a\)の範囲を求めよ。

 

 

 

円の方程式は \(x^2+y^2=1\) なので、曲線\(C\)から\(y\)を消去することで、\(x\)の方程式(6次方程式)に帰着できます。なお今回の解答に直接関係はないですが、曲線\(C\)も円も原点対称になっています。
円と曲線 共有点 例題1-1

(解答)
円: \(x^2+y^2=1\)・・・①
\(C\): \(y=ax^3-2x\)・・・②

②を①に代入して

\(x^2+(ax^3-2x)^2=1\)・・・③

\(x\)について整理すると
\(a^2x^6-4ax^4+5x^2-1=0\)・・・④

\(a>0\) なので、④は\(x\)の6次方程式です。これが6つの異なる実数解をもつ\(a\)の条件が答えとなるわけですが、さすがに大変なので少し工夫します。④が\(x^2\)の関数になっていることに着目する、つまり \(x^2=t\) とおくと、\(t\)の3次方程式になります。

\(t=x^2\) とおくと ④は

\(a^2t^3-4at^2+5t-1=0\)・・・⑤

この\(t\)の方程式がどのような実数解を何個もてばよいかというと、\(t=x^2\) より
(i)\(t<0\) のときは \(x\)は実数でない (\(x\)は0個)
(ii)\(t=0\) のときは \(x=0\) (\(x\)は1個)
(iii)\(t>0\) のときは \(x=±\sqrt{t}\) (\(x\)は2個)
(iv)\(t\)が虚数のときは \(x\)も虚数 (\(x\)は0個)
と対応していることと、⑤の方程式は最大でも解が3個しかとれないことから、\(x\)の方程式④が異なる6つの実数解をもつには、\(t\)の方程式⑤が異なる3つの正の実数解をもてばよいことになります。

円と曲線\(C\)が6つの共有点をもつには、\(x\)の方程式④が6つの異なる実数解をもてばよい。

そして、\(t=x^2\) より、\(t\)の方程式⑤が異なる3つの正の実数解をもてばよいことになる。

 

ここで、円の\(x\)の範囲が \(-1≦x≦1\) から、\(t≦1\) という制限が必要ではないかと疑問に感じた方もいるかもしれませんが、結論だけ言うとあってもなくてもどっちでもよいです。(解答の後に詳細を記載します)

\(f(t)=a^2t^3-4at^2+5t-1\) とおいて、
\(t>0\)の範囲で\(t\)軸と3つの共有点をもつ条件を考えると

\(f'(t)=3a^2t^2-8at+5\)\(=(at-1)(3at-5)\) より
\(f'(t)=0\) となるのは、\(\displaystyle\frac{1}{a},\displaystyle\frac{5}{3a}\)
\(a>0\) より \(\displaystyle\frac{1}{a}<\displaystyle\frac{5}{3a}\) だから増減表は次の通り。

円と曲線 共有点 例題1-2

よって、3つの共有点をもつ条件は

\(f(\displaystyle\frac{1}{a})>0\) かつ \(f(\displaystyle\frac{5}{3a})<0\) となるから

\(\displaystyle\frac{1}{a}-\displaystyle\frac{4}{a}+\displaystyle\frac{5}{a}-1>0\) かつ \(\displaystyle\frac{125}{27a}-\displaystyle\frac{100}{9a}+\displaystyle\frac{25}{3a}-1<0\)

\(\displaystyle\frac{2}{a}>1\) かつ \(\displaystyle\frac{50}{27a}<1\)

したがって
\(\displaystyle\frac{50}{27}<a<2\)

 

 

※\(t≦1\) という制限 の有無について

\(t\)が正の実数ならば、\(x^2=t\) より \(x\)も実数となり、もともとの\(x\)の方程式

\(x^2+(ax^3-2x)^2=1\)・・・③

の \(x\) と \(ax^3-2x\) のどちらも実数になるので、③が成り立つとき

\(-1≦x≦1\),  \(-1≦ax^3-2x≦1\)

が保証されるので(もしこの範囲にないと左辺が\(1\)を超えてしまう)、\(-1≦x≦1\) つまり \(t≦1\)という制限が必要ないことになります。

 

ちなみに \(t≦1\) を追加すると、

極値をとる\(x\)のうち大きい方の \(x=\displaystyle\frac{5}{3a}\) について \(\displaystyle\frac{5}{3a}<1\) つまり \(a>\displaystyle\frac{5}{3}\)

\(f(1)≧0\) つまり \(a^2-4a+4≧0\) \(⇔\) \((a-2)^2≧0\) (常に成り立つ)

の2つの条件が加わりますが、答えに影響はないです。

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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