接線の本数②

引き続き接線の本数に関する問題です。

 

(例題1)
\(xy\)平面上の 点\((a,b)\) から 曲線 \(y=x^3-x\) に接線がちょうど2本だけ引くことができ、この2本の接線が直交するとき \((a,b)\) を求めよ。

 

 

接点を \((t,t^3-t)\) とおくところがスタートです。

(解答)
\(y=x^3-x\) 上の 点 \((t,t^3-t)\) における接線は
\(y’=3x^2-1\) より

\(y=(3t^2-1)(x-t)+t^3-t\)
整理して
\(y=(3t^2-1)x-2t^3\)

これが \((a,b)\)を通るから
\(b=(3t^2-1)a-2t^3\)
\(t\)について整理すると

\(2t^3-3at^2+a+b=0\)・・・①

定数分離が難しいので、ダイレクトに①の左辺の関数を考えていきます。

\(f(t)=2t^3-3at^2+a+b\) とおくと
\(f'(t)=6t(t-a)\)
\(f'(t)=0\) となるのは \(t=0,a\)

\(a=0\) と \(a≠0\) でグラフの形状が異なる(極値をもつ or もたない)ので場合分けします。

(ア) \(a=0\) のとき
\(f'(t)=6t^2≧0\) より、\(f(t)\)は単調増加になり方程式①の実数解の個数が1個となるから、接線が1本しか存在せず不適。

(イ) \(a≠0\) のとき
\(y=f(t)\) は極大値と極小値を1つずつもち、接線がちょうど2本あるときは方程式①の実数解がちょうど2つ存在するときだから

\(f(0)=0\) または \(f(a)=0\)

接線の本数② 例題1

(i) \(f(0)=0\) のとき
①より
\(a+b=0\)
したがって、\(b=-a\)・・・②

\(f(0)=0\) というのは、方程式①の解が\(t=0\)ということで、さらに\(t=0\)のときが極値だから重解になっています。よって他の解も簡単に分かるので、接線が直交する条件のとき必要なので求めておきます。(\(t\)は接点の\(x\)座標だから、\(t=0\) が2本の接線のうち片方の接点の\(x\)座標になり、他の解がもう片方の接点の\(x\)座標です。上のグラフの2交点の\(x\)座標に対応しています)

②を①に代入して
\(2t^3-3at^2=0\)
\(t^2(2t-3a)=0\) (\(t=0\)は重解)
\(t=0,\displaystyle\frac{3}{2}a\)
これが2つの接線の接点の\(x\)座標になる。

(ii) \(f(a)=0\) のとき
①より
\(-a^3+a+b=0\)
したがって \(b=a^3-a\)・・・③

③を①に代入して
\(2t^3-3at^2+a^3=0\)
\(t=a\)が重解になっていることに注意すると
\((t-a)^2(2t+a)=0\)
\(t=a,-\displaystyle\frac{1}{2}a\)
これが2つの接線の接点の\(x\)座標になる。

 

2つの接点の\(x\)座標が求まったので、最後に直交する条件から\(a,b\)を求めます。

(i)について
2つの接線の傾き \(y’=3x^2-1\) より
\(t=0,\displaystyle\frac{3}{2}a\) を代入して
\(y’=-1\), \(y’=\displaystyle\frac{27}{4}a^2-1\) だから

直交するためには
\((-1)(\displaystyle\frac{27}{4}a^2-1)=-1\)
これを解くと
\(a=±\displaystyle\frac{2\sqrt{6}}{9}\)

\(b=-a\)・・・②より
\(a=∓\displaystyle\frac{2\sqrt{6}}{9}\)

 

(ii)について
2つの接線の傾きは \(y’=3x^2-1\) より
\(t=a,-\displaystyle\frac{1}{2}a\) を代入して
\(y’=3a^2-1\), \(y’=\displaystyle\frac{3}{4}a^2-1\) だから

直交するためには
\((3a^2-1)(\displaystyle\frac{3}{4}a^2-1)=-1\)
整理すると
\(9a^4-15a^2+8=0\)

\(a^2=s\) とおけば、\(s\)の2次方程式に帰着できます。(複二次式の形)

\(a^2=s\) とおくと
\(9s^2-15s+8=0\)
この\(s\)の方程式の解は実数ではないので、\(a\)が実数にならないため不適。

 

以上から
\((a,b)=(±\displaystyle\frac{2\sqrt{6}}{9},∓\displaystyle\frac{2\sqrt{6}}{9})\) (複号同順)

 

 

 

(例題2)
曲線 \(y=x^3-x\) に3本の接線が引けるような 点\((a,b)\) の存在範囲を求めて、\(xy\)平面に図示せよ。

 

 

 

接点を \((t,t^3-t)\)とおくところから始めます。途中までは(例題1)と同じ流れになります。

(解答)
曲線 \(y=x^3-x\) 上の点を\(P(t,t^3-t)\)とおく。

\(y’=3x^2-1\) より点\(P\)における接線の方程式は
\(y=(3t^2-1)(x-t)+t^3-t\)
整理して
\(y=(3t^2-1)x-2t^3\)

これが 点\((a,b)\)を通るから
\(b=(3t^2-1)a-2t^3\)

\(t\)について整理して
\(2t^3-3at^2+a+b=0\)・・・①

3次関数では接点が異なれば接線も異なるので、\(t\)の方程式①が3つの異なる実数解をもてば接線が3本存在することになる。

\(f(t)=2t^3-3at^2+a+b\) とおくと
\(f'(t)=6t(t-a)\)
\(f'(t)=0\) となるのは \(t=0,a\)

\(y=f(t)\)が\(x\)軸と異なる3点で交わればよいので、極値が存在し、極大値と極小値の値の積が負になればよい。
よって
\(a≠0\) かつ \(f(0)・f(a)<0\)
ゆえに
\(a≠0\) かつ \((a+b)(-a^3+a+b)<0\)

不等式は
\(a+b>0\) かつ \(-a^3+a+b<0\)
または
\(a+b<0\) かつ \(-a^3+a+b>0\)

すなわち
\(b>-a\) かつ \(b<a^3-a\)
または
\(b<-a\) かつ \(b>a^3-a\)

となるので領域を図示すると次の通り。

接線の本数② 例題2-1

 

境界線の一方の \(b=a^3-a\) は元々の曲線と同じ式になっています。
もう一方の \(b=-a\) は、変曲点(3次関数の点対称の中心)における接線です。この例題だと原点\((0,0)\)における接線です。

 

(参考)
接線が2本、1本引ける場合も同様に考えてまとめると次のような配置になります。
(原点以外の境界線が2本引ける場合になっています)

接線の本数② 例題2-2

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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