複素数の範囲まで拡張された因数分解について見ていきます。
(例題)
\(x^4+2x^2-15\) を、因数の係数が (ア)有理数 (イ)実数 (ウ)複素数 の各場合について因数分解せよ。
複2次式の因数分解です。
①\(x^2=X\)とおきかえ or ②平方の差をつくる
の2パターンがありますが、この問題は①で解くことができます。
①\(x^2=X\)とおきかえ or ②平方の差をつくる
の2パターンがありますが、この問題は①で解くことができます。
(解答)
(ア)
\(x^2=X\) とすると
\(x^4+2x^2-15\)
\(=X^2+2X-15\)
\(=(X+5)(X-3)\)
\(=\)\((x^2+5)(x^2-3)\) (有理数範囲だとこれ以上は因数分解できない)
(イ)
\(x^2-3=0\) の解は\(x=±\sqrt{3}\)で実数なので、こちらは因数分解できます。(\(x^2+5=0\)の解は虚数なのでこちらは実数範囲では不可)
\(x^2-3=0\) の解は \(x=±\sqrt{3}\)なので
\(x^2-3=(x+\sqrt{3})(x-\sqrt{3})\)
よって(ア)より
\(x^4+2x^2-15\)
\(=(x^2+5)(x^2-3)\)
\(=\)\((x^2+5)(x+\sqrt{3})(x-\sqrt{3})\)
(ウ)
\(x^2+5=0\) の解は \(x=±\sqrt{5}i\) だから
\(x^2+5=(x+\sqrt{5}i)(x-\sqrt{5}i)\)
よって(イ)より
\(x^4+2x^2-15\)
\(=(x^2+5)(x+\sqrt{3})(x-\sqrt{3})\)
\(=\)\((x+\sqrt{5}i)(x-\sqrt{5}i)\)\((x+\sqrt{3})(x-\sqrt{3})\)
4次方程式 \(ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0\) は複素数範囲では重解を含めて4つの解をもちます(代数学の基本定理)。その4解を\(α,β,γ,δ\)とすると
\(ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=\)\(a(x-α)(x-β)\)\((x-γ)\)\((x-δ)\)
が成り立つので(詳しくは高次方程式で扱います)、4次式の場合には複素数範囲まで考えた場合は、4つの1次式の積で表すことができます。3次(3つの積になる)や5次以上でも同様です。
\(ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=\)\(a(x-α)(x-β)\)\((x-γ)\)\((x-δ)\)
が成り立つので(詳しくは高次方程式で扱います)、4次式の場合には複素数範囲まで考えた場合は、4つの1次式の積で表すことができます。3次(3つの積になる)や5次以上でも同様です。
なお特に指定が無ければ、因数分解は(ア)有理数の範囲まで行ってください。
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
next→2次方程式と整数解 back→a(x-α)(x-β)の利用