因数定理とf(x)の決定

次の問題について考えていきます。

 

(例題)
2次方程式 \(x^2-x+1=0\) の2つの解を\(α,β\)とし、\(x\)の3次式\(f(x)\)は、
\(f(α)=α\), \(f(β)=β\), \(f(α+β)=α+β\), \(f(0)=-1\)
を満たすとする。\(F(x)=f(x)-x\) とするとき

(1)\(F(α),F(β)\)\(,F(α+β)\) を求めよ。
(2)\(F(x)\),\(f(x)\)を求めよ。

 

 

(解答)
(1)
\(F(α)=f(α)-α=0\)
\(F(β),F(α+β)\)も同様に\(0\)であるので
\(F(α)=F(β)=F(α+β)=0\)

 

(2)

\(f(x)\)は3次式なので、\(F(x)=f(x)-x\)だから\(F(x)\)3次式です。
(1)より、\(F(x)\)は、\(x-α\),\(x-β\),\(x-(α+β)\)を因数にもつことがわかります。(\(α,β,α+β\)が異なることの確認は必要です)

\(F(x)=f(x)-x\) より \(F(x)\)は3次式。

\(α,β\)は\(x^2-x+1=0\) の解なので \(\displaystyle\frac{1±\sqrt{3}i}{2}\)で、\(α+β=1\) より \(α,β,α+β\)はすべて異なる。・・・(注)
よって(1)より \(F(x)\)は、\(x-α\), \(x-β\), \(x-(α+β)\)を因数にもつ3次式なので

\(F(x)=k(x-α)(x-β)\{x-(α+β)\}\) (\(k\)は定数)

と表せる。

解と係数の関係から \(α+β=1\), \(αβ=1\) なので
\(F(x)=k\{x^2-(α+β)+αβ\}(x-1)\)
\(=k(x^2-x+1)(x-1)\)・・・②

\(f(0)=-1\) より \(F(0)=f(0)-0=-1\) なので②で\(x=0\)を代入して
\(-1=-k\)
よって \(k=1\)

したがって
\(F(x)=(x^2-x+1)(x-1)\)
\(=\)\(x^3-2x^2+2x-1\)

\(f(x)=F(x)+x\) より
\(f(x)=x^3-2x^2+3x-1\)

 

 

(注)について
\(α,β,α+β\)はすべて異なることを確認したのは、例えば\(α=β\) とすると、
\(F(x)\)が、\(x-α(=x-β)\)を因数にもつことは分かりますが、
\((x-α)(x-β)(=(x-α)^2)\) を因数にもつかどうかわからず、
\(F(x)=k(x-α)(x-β)\{x-(α+β)\}\)
と表せないからです。

 

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
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