高次方程式①

高次方程式を解くには、因数分解して次数の低い式の積にすることが基本となります。

 

・高次方程式の解き方
高次方程式 \(P(x)=0\) は、\(P(x)\)が因数分解できて \(P(x)=A(x)B(x)\) となるとすると、次数の低い\(A(x),B(x)\)について、\(A(x)=0\) または \(B(x)=0\) を解くことにより、解を求めることができます。

なお、因数分解をするには
①因数分解公式の利用 ②因数定理の利用 ③置き換えの利用
などをします。

また、一般に\(n\)次方程式は重解を含めて解が\(n\)個存在することも解答のチェックとして利用するとよいです。

 

(例題1)次の方程式を解け。
(1)\(x^3=-27\)
(2)\(x^4-7x^2+12=0\)
(3)\(x^4+2x^2+4=0\)

 

 

すべて因数分解公式を利用できるパターンです。
(1)(2)は因数定理を利用しても解けますが、公式を利用したほうが早いです。

(解答)
(1)

\(x=-3\) が答えなのはすぐわかりますが、3次方程式なので他に解が2個あるはずです。\(P(x)=0\)の形にして因数分解していきます。

\(x^3+27=0\) より
\((x+3)(x^2-3x+9)=0\)

\(x+3=0\) または \(x^2-3x+9=0\)を解いて
\(x=-3\),\(\displaystyle\frac{3±3\sqrt{3}i}{2}\)

(2)

\(x^2\)の2次式(複2次式)です。複2次式は
①\(x^2=X)とおく ②2乗の差を作る
方法で因数分解できます。(2)は①の方法が利用できるケースです。

\(x^4-7x^2+12=0\) で \(x^2=X\)とおくと
\(X^2-7X+12=0\)
\((X-4)(X-3)=0\)
\((x^2-4)(x^2-3)=0\)

よって \(x^2=4\), \(x^2=3\) を解いて
\(x=±2,±\sqrt{3}\)

(3)

同様に複2次式です。今回は①の方法ではダメで、②2乗の差をつくる 方法で因数分解します。

\(x^4+2x^2+4=0\) より
\(x^4+4x^2+4-2x^2=0\) (\((x^2+2)^2\)の形を作れるように\(2x^2\)を余分に加えて、そのぶんを引く)
\((x^2+2)^2-2x^2=0\)
\((x^2+2)^2-(\sqrt{2}x)^2=0\)
\((x^2+2+\sqrt{2}x)(x^2+2-\sqrt{2}x)=0\)

\(x^2+\sqrt{2}x+2=0\) , \(x^2-\sqrt{2}x+2=0\) を解いて
\(x=\displaystyle\frac{-\sqrt{2}±\sqrt{6}i}{2}\)\(,\displaystyle\frac{\sqrt{2}±\sqrt{6}i}{2}\)

 

(例題2)次の方程式を解け
\(x^4+2x^3+x^2-4=0\)

 

 

\(x=1\)を代入すると、(左辺)\(=1+2+1-4=0\) となるので、因数定理より左辺は\((x-1)\)を因数にもちます。

(解答)
\(x=1\) を代入すると (左辺)\(=0\) より、\(x-1\)を因数にもつので
\(x^4+2x^3+x^2-4\)
\(=(x-1)(x^3+3x^2+4x+4)\) (組立除法を用いた)

\(x^3+3x^2+4x+4\) について、\(x=-2\) を代入すると \(0\)となるので、\(x+2\)を因数に持ち

\((x-1)(x^3+3x^2+4x+4)\)
\(=(x-1)(x+2)(x^2+x+2)\) (組立除法を用いた)

よって与えられた方程式は
\((x-1)(x+2)(x^2+x+2)=0\) であり、
\(x-1=0\), \(x+2=0\), \(x^2+x+2=0\) を解くと

\(x=1,-2\)\(,\displaystyle\frac{-1±\sqrt{7}i}{2}\)

 

 

(例題3)次の方程式を解け
(1)\((x+1)(x+2)(x+3)(x+4)=3\)
(2)\((x^2+4x+3)(x^2+12x+35)+15=0\)

 

 

(1)について、\((x+1)(x+4)\) , \((x+2)(x+3)\) と組み合わせて計算すると、\(x^2+5x\)という共通な部分ができます。これを\(X\)とおくと、\(X\)の2次式になります。

(解答)
(1)
\((x+1)(x+2)(x+3)(x+4)=3\) より
\((x+1)(x+4)(x+2)(x+3)-3=0\)
\((x^2+5x+4)(x^2+5x+6)-3=0\)

ここで \(x^2+5x=X\) とおくと
\((X+4)(X+6)-3=0\)
\(X^2+10X+21=0\)
\((X+3)(X+7)=0\)
\((x^2+5x+3)(x^2+5x+7)=0\)

\(x^2+5x+3=0\), \(x^2+5x+7=0\) を解いて
\(x=\displaystyle\frac{-5±\sqrt{13}}{2}\), \(x=\displaystyle\frac{-5±\sqrt{3}i}{2}\)

 

(2)

(1)の方法に帰着させます。
\(x^2+4x+3=(x+1)(x+3)\)
\(x^2+12x+35=(x+5)(x+7)\)
と因数分解できるので、\((x+1)(x+7)\), \((x+3)(x+5)\) の組合せで積を計算します。

\((x^2+4x+3)(x^2+12x+35)+15=0\) より
\((x+1)(x+3)(x+5)(x+7)+15=0\)
\((x+1)(x+7)(x+3)(x+5)+15=0\)
\((x^2+8x+7)(x^2+8x+15)+15=0\)

ここで、\(x^2+8x=X\) とおくと
\((X+7)(X+15)+15=0\)
\(X^2+22X+120=0\)
\((X+10)(X+12)=0\)

\((x^2+8x+10)(x^2+8x+12)=0\)
\((x^2+8x+10)(x+6)(x+2)=0\)

\(x^2+8x+10=0\) を解くと、\(x=-4±\sqrt{6}\)
よって
\(x=-6,-2,-4±\sqrt{6}\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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