\(x\)についての不等式が与えられたとき、不等式を満たす\(x\)の値を「不等式の解」といい不等式の解全体を求めることを「不等式を解く」といいます、
今回からは、次数が1である\(x\)の1次不等式の解法について学んでいきます。
前回のおさらい
不等式の性質
① \(a>b,b>c\) \(→\) \(a>c\)
② \(a>b\) \(→\) \(a+c>b+c\) \(a-c>b-c\)
③(A) \(a>b\) \(m>0\) \(→\) \(am>bm\) \(\displaystyle\frac{a}{m}>\displaystyle\frac{b}{m}\)
(B) \(a>b\) \(m<0\) \(→\) \(am\)\(<\)\(bm\) \(\displaystyle\frac{a}{m}\)\(<\)\(\displaystyle\frac{b}{m}\)
\(x>3-k\) つまり等式の移項と同じ変形ができるわけです。
性質③(A)より正の数で掛けたり割ったりするときは不等号の向きは変わりませんが、③(B)より負の数で掛けたり割ったりすると不等号が入れ替わることに注意してください。
\(a,b\)を0でない数として、\(a>b\)のとき両辺を\(ab\)で割って左辺と右辺を書き直すと
(1)\(ab>0\)のとき \(\displaystyle\frac{1}{a}<\displaystyle\frac{1}{b}\)
(2)\(ab<0\)のとき \(\displaystyle\frac{1}{a}>\displaystyle\frac{1}{b}\)
つまり、\(a,b\)の正負が一致するときは逆数をとると不等号は入れ替わり、一致しないときは不等号は入れ替わりません。よく使うのが\(a,b\)が正の数で、\(a>b>0\)のとき、\(\displaystyle\frac{1}{a}<\displaystyle\frac{1}{b}\)となり不等号が入れ替わることです。具体例をあげると、\(5>3\)のとき逆数をとると、\(\displaystyle\frac{1}{5}<\displaystyle\frac{1}{3}\)となります。
ただ、1次不等式の解法では逆数をとることは基本的にやらないほうがいいです。逆数をとらず各辺を掛けたり割ることでうまく目的の形に変形したほうが無難です。
例題をやってみます。
(問題)次の不等式を解け。
(1)\(2(x-1)≧3x-4\)
(2)\(\displaystyle\frac{3-2x}{4}<\displaystyle\frac{1}{2}-\displaystyle\frac{x-1}{3}\)
(解答)
(1)
\(2x-2≧3x-4\)
移項して
\(-x≧-2\)
両辺に\(-1\)を掛けて
\(x≦2\) (不等号入れ替わる)
(2)
両辺を12倍して
\(3(3-2x)<6-4(x-1)\)
\(9-6x<6-4x+4\)
移項して
\(-2x<1\)
両辺を\(-2\)で割って
\(x>-\displaystyle\frac{1}{2}\) (不等号入れ替わる)
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。