関数方程式と恒等式

関数方程式の例題です。

 

(例題)
\(f(x)\)は整式で、任意の\(x\)に対して常に
\(f(x+1)-f(x-1)=6x^2+4\)
を満たす。

(1)\(f(x)\)は何次式か。
(2)\(f(0)=2\) のとき、\(f(x)\)を求めよ。

 

通常よく扱う \(x^2-2x+1=0\) のような方程式では未知数\(x\)を求めますが、この方程式では関数\(f(x)\)が未知になっていてこれを求めるので関数方程式とよばれます。
ただし\(f(x)\)については方程式になっていますが、文字\(x\)については恒等式になっていることに気を付けて下さい。
また、「\(f(x)\)が整式(多項式ともよばれる)」が何を意味しているかも覚えて下さい。簡単にいうと\(x\)の\(n\)次式です(1次式、2次式・・・。定数でもよい)。整式の関数方程式では次数を決定する(何次式になるのかまず調べる)のが定石です。

(解答)
\(f(x)=ax^{n}+bx^{n-1}+\cdots\) (\(a≠0\))
とおく。

\(f(x+1)-f(x-1)=6x^2+4\) より

(次数を決定したいので最高次付近に着目して調べていきます)

(左辺)
\(=\{a(x+1)^{n}+b(x+1)^{n-1}+\cdots\}-\{a(x-1)^{n}+b(x-1)^{n-1}+\cdots\}\)

\(=a\{(x+1)^{n}-(x-1)^n\}+b\{(x+1)^{n-1}-(x-1)^{n-1}\}+\cdots\)

(二項定理を用いて)

\(=a\{0+2nx^{n-1}+\cdots\}+b\{0+2(n-1)x^{n-2}+\cdots\}+\cdots\)

\(=2nax^{n-1}+2b(n-1)x^{n-2}+(n-2次以下)\)

(右辺)は\(2\)次式だから
\(n-1=2\)
よって \(n=3\) であり
\(f(x)\)は\(3\)次式。

 

(2)

改めて\(f(x)\)をおきなおして関数を決定します。
今度は(1)のように一部分だけでなく、全部の係数を決定します。

(1)の結果と \(f(0)=2\) より
\(f(x)=ax^3+bx^2+cx+2\) (\(a≠0\))
とおける。

\(f(x+1)-f(x-1)=6x^2+4\) より

(左辺)
\(=a\{(x+1)^3-(x-1)^3\}+b\{(x+1)^2-(x-1)^2\}+c\{(x+1)-(x-1)\}+0\)

\(=a(6x^2+2)+b\cdot4x+c\cdot2\)

\(=6ax^2+4bx+(2a+2c)\)

これが \(6x^2+4\) となるから
\(6a=6\)、\(4b=0\)、\(2a+2c=4\)
よって
\(a=1\)、\(b=0\)、\(c=1\)

したがって
\(f(x)=x^3+x+2\)

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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