回転体(円錐面)の方程式

回転体の方程式の求め方について見ていきます。

 

・回転体の方程式
\(x≧0\) で定義された関数 \(z=f(x)\) を、\(z\)軸回りに1回転させてできた図形の方程式は次のようになります。

\(z=f(\sqrt{x^2+y^2})\)

 

(解説)
回転体の方程式1

\(zx\)平面における \(A(k,f(k))\) について
\(z=f(k)\)・・・①

\(xyz\)空間において、\(z=f(k)\)における回転体の断面は、半径\(k\)の円になるから
この円周上の点を \((x,y,f(k))\) とすると

\(\sqrt{x^2+y^2}=k\)・・・②

①②より
\(z=f(\sqrt{x^2+y^2})\)

 

\(z=f(x)\) を \(x→\sqrt{x^2+y^2}\) と置きかえると回転体の方程式になります。
他の軸の回転に関しては同様に適宜考えてください。

 

 

・円錐面の方程式

回転体の方程式2

直線 \(z=-2x+2\) (\(x≧0\))
を\(z\)軸回りに回転させてできる図形は円錐になりますが、この円錐面の方程式は上記回転体の方程式より

\(z=-2\sqrt{x^2+y^2}+2\)・・・①

となります。ここで①を変形していくと

\(2\sqrt{x^2+y^2}=2-z\)
左辺は\(0\)以上なので \(z≦2\) となり2乗すると

\(4(x^2+y^2)=(2-z)^2\),  \(z≦2\) ・・・②

となります。

 

ここで、ベクトルの内積を利用した別の方法でも円錐面の方程式を求めてみます。

回転体の方程式3

頂点を\(T(0,0,2)\), 円錐面上の点を\(P(x,y,z)\)とおくと、\(\overrightarrow{TP}\)は、円錐の中心軸である\(z\)軸方向とのなす角が\(θ\)で一定です。\(z\)軸方向のベクトルを \(\vec{v}=(0,0,-1)\) とおくと

\(\overrightarrow{TP}\cdot\vec{v}=|\overrightarrow{TP}||\vec{v}|\cosθ\)

\(\overrightarrow{TP}=(x,y,z-2)\), \(\cosθ=\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\) より

\(-(z-2)=\sqrt{x^2+y^2+(z-2)^2}\cdot\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)

\(\sqrt{5}(2-z)=2\sqrt{x^2+y^2+(z-2)^2}\)

右辺は\(0\)以上なので、\(z≦2\) であり、2乗すると
\(5(2-z)^2=4\{x^2+y^2+(z-2)^2\}\), \(z≦2\)

よって
\((2-z)^2=4(x^2+y^2)\), \(z≦2\)
と②と同じ式になります。

 

回転体の方程式を利用する方法は導出が楽ですが、ベクトルの内積による方法は回転軸が傾いている場合にも有効です。

 

 

 

(例題)
座標空間の原点\(O\)を通りベクトル \((1,\sqrt{3},2\sqrt{3})\) に平行な直線を\(l\)とし、点\(A\)の座標を \((\sqrt{3}+3,3\sqrt{3}+3,6-2\sqrt{3})\) とする。このとき、\(O\)を頂点とする円錐\(C\)は、底面の中心\(H\)が\(l\)上にあり、底面の円周が\(A\)を通るとする。

(1)\(\angle AOH=□π\) である。ただし、\(0≦\angle AOH<π\) とする。
(2)\(H\)の座標は \((□,□,□)\) である。
(3)点\((\sqrt{3},y,z)\) が\(C\)の底面上(境界線を含む)にあるとき、常に \(y+□z+□=0\) が成り立つ。
(4)点\((\sqrt{3},y,z)\) が\(C\)の底面上(境界を含む)にあるとき、常に
\(□y^2+□yz+□z^2+□y+□z+21=0\) が成り立つ。

 

 

円錐\(C\)は、頂点\(O\)、底面の中心が\(H\)である円錐です。

(解答)
(1)

内積からなす角を求めます。

回転体方程式 例題1-1

\(\angle AOH=θ\) とおく。
直線\(l\)の方向ベクトルは \(\vec{v}=(1,\sqrt{3},2\sqrt{3})\)
\(\overrightarrow{OA}=(\sqrt{3}+3,3\sqrt{3}+3,6-2\sqrt{3})\) より

\(\cosθ=\displaystyle\frac{\overrightarrow{OA}\cdot\vec{v}}{|\overrightarrow{OA}||\vec{v}|}\)

\(\overrightarrow{OA}\cdot\vec{v}\)
\(=1\cdot(\sqrt{3}+3)+\sqrt{3}(3\sqrt{3}+3)+2\sqrt{3}(6-2\sqrt{3})\)
\(=16\sqrt{3}\)

\(|\overrightarrow{OA}|\)
\(=\sqrt{(\sqrt{3}+3)^2+(3\sqrt{3}+3)^2+(6-2\sqrt{3})^2}\)
\(=4\sqrt{6}\)

\(|\vec{v}|\)
\(=\sqrt{1^2+(\sqrt{3})^2+(2\sqrt{3})^2}\)
\(=4\)

よって
\(\cosθ=\displaystyle\frac{16\sqrt{3}}{4\sqrt{6}\cdot4}\)\(=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}\)

したがって
\(θ=\displaystyle\frac{π}{4}\)

 

(2)

\(OH \perp HA\) です。\(\overrightarrow{OH}=k(1,\sqrt{3},2\sqrt{3})\) とおいて内積計算しても解けますが、直角三角形の辺の比(三角比)を利用すると早いです。

回転体方程式 例題1-2

\(OH=OA\cosθ=4\sqrt{6}\cdot\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}\)
\(=4\sqrt{3}\)

\(\vec{v}=(1,\sqrt{3},2\sqrt{3})\) と同じ方向の単位ベクトルは
\(\vec{v}=\displaystyle\frac{1}{4}(1,\sqrt{3},2\sqrt{3})\) だから

\(\overrightarrow{OH}=4\sqrt{3}×\displaystyle\frac{1}{4}(1,\sqrt{3},2\sqrt{3})\)
\(=(\sqrt{3},3,6)\)

よって \(H(\sqrt{3},3,6)\)

 

(3)

法線ベクトルが直線\(l\)の方向ベクトルで、\(H(A)\)を通る平面の方程式を求めます。

\(H(\sqrt{3},3,6)\)を通り、法線ベクトルが \(\vec{v}=(1,\sqrt{3},2\sqrt{3})\) である平面の方程式は

\((x-\sqrt{3})+\sqrt{3}(y-3)+2\sqrt{3}(z-6)=0\)・・・①

\(x=\sqrt{3}\) を代入して整理すると
\(y+2z-15=0\)・・・②

平面①上に円錐\(C\)の底面があるので、②が求める式である。

 

(4)

内積を使って、側面の方程式を求めます。

回転体方程式 例題1-3

側面上の点を \(P(x,y,z)\) とする。\(\overrightarrow{OP}\) と \(\vec{v}=(1,\sqrt{3},2\sqrt{3})\)のなす角が\(\displaystyle\frac{π}{4}\) だから

\(\overrightarrow{OP}\cdot\vec{v}=|\overrightarrow{OP}||\vec{v}|\cos\displaystyle\frac{π}{4}\)

\(x+\sqrt{3}y+2\sqrt{3}z=\sqrt{x^2+y^2+z^2}\cdot4\cdot\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}\)

\(x=\sqrt{3}\)を代入して

\(\sqrt{3}(1+y+2z)=\sqrt{3+y^2+z^2}\cdot2\sqrt{2}\)

成り立つ方程式を求めるだけなので(必要条件)、\(1+y+2z≧0\) は気にせず2乗します。

\(3(1+y+2z)^2=8(3+y^2+z^2)\)

整理して
\(5y^2-12yz-4z^2-6y-12z+21=0\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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