数列の極限の基礎例題①(分数式など)

数列の極限の基礎例題です。

 

(例題1)
(1)次の数列の極限を調べよ。
\(3,\displaystyle\frac{5}{2},\displaystyle\frac{7}{3},\displaystyle\frac{9}{4},\cdots\)

(2)\(a_n=1+(-1)^n\) とする。数列\(\{a_n\}\)の極限を調べよ。

 

 

(解答)
(1)

まずは一般項を求めます。すると \(\displaystyle\frac{\infty}{\infty}\) の不定形になるので、式変形して解消します。分数型の不定形の解消方法は(例題2)でも扱いますが、最高次数の項で割ることが基本です。

一般項\(A_n\)は、\(A_n=\displaystyle\frac{2n+1}{n}\) だから

\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}A_n=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{2n+1}{n}\)

\(=\displaystyle\lim_{n \to \infty}(2+\displaystyle\frac{1}{n})\)

\(=2+0\)

\(=2\)

 

(2)
\(a_n=1+(-1)^n\) より、数列を列挙すると
\(\{a_n\}:0,2,0,2,0,2,\cdots\)
となり、\(0,2\)を交互にとる。

よって\(\{a_n\}\)は振動し極限はない

 

 

 

(例題2)
一般項が次の式で表される数列の極限をそれぞれ求めよ。

(1)\(\displaystyle\frac{5n^4+n^2+3}{n^4+3n-2}\)

(2)\(\displaystyle\frac{3n^3+2n^2+1}{-2n^2+4}\)

 

 

いずれも \(\displaystyle\frac{\infty}{\infty}\) の不定形ですが、分数式の極限の基本は、最高次数の項で分母分子を割ることです。

(解答)
(1)
\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{5n^4+n^2+3}{n^4+3n-2}\)

(\(n^4\)で分母分子を割って)

\(=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{5+\displaystyle\frac{1}{n^2}+\displaystyle\frac{3}{n^4}}{1+\displaystyle\frac{3}{n^3}-\displaystyle\frac{2}{n^4}}\)

\(=\displaystyle\frac{5+0+0}{1+0-0}\)

\(=5\)

 

(2)

分子の最高次数の項\(n^3\)で割ると、分母が\(0\)に近づくことになり面倒になるので、分母の最高次数の項\(n^2\)で割って分母が定数に近づくようにします。

\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{3n^3+2n^2+1}{-2n^2+4}\)

(\(n^2\)で割って)

\(=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{3n+2+\displaystyle\frac{1}{n^2}}{-2+\displaystyle\frac{4}{n^2}}\)

(分母→\(-2\) で、分子→\(\infty\) )

\(=-\infty\) (発散)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
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