はじめに(命題と条件)

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命題と集合(条件)の分野は、数学の他の分野と遊離していて学ぶ意味がよく分からないと感じる方もいるかもしれません。ここでは数学とは少し離れてこの分野の核にあたる部分を知ってもらいたいと思います。

 

(問)次の文章は正しいか

①高校生は学生である。
反論がもしかしたらあるかもしれませんが、正しいです。

 

では次の文章はどうでしょうか。
②学生は高校生である。
先ほどの①の文章をちょうど逆転させたような文章ですね。これは明らかに正しくないでしょう。学生の中には、中学生も小学生もいます。

 

さらに次の文章はどうでしょうか。
③富士山は日本一標高の高い山である。
④日本一標高の高い山は富士山である。
③④は先ほどの①②のような関係ですね。今回は③④ともに正しいです。

 

今まで何をやっていたかというと、文章の正誤つまり論理が正しいか正しくないかを判断していたわけです。①②、③④のように逆に論理を考えた結果、正誤の結果が同じになる場合と違う場合がありますね。

 

 

数学に話を戻します。
①②の例で高校生を\(p\)、学生を\(q\)と文字で置いてみます。少し文章もいじって①②を次のように置きかえます。
①\(p\)ならば\(q\)である。(\(p→q\)と書きます) (真)
②\(q\)ならば\(p\)である。\(q→p\) (偽)
数学的には①②のような文章などで書かれた主張を命題といいます。そしてその正誤を、正しい場合は、正しくない場合をであるといいます。また、②を①のといいます。
先ほどの例では①が真、②が偽でしたね。このように\(p,q\)を入れ替えた場合、真偽が一致するとは限りません。ただ③④のように一致する場合もあります。

 

\(p,q\)を入れ替えたら真偽が変わることに、何の意味があるのと思うかもしれませんが、数学では、かなり大事なことなんです。

数学で論理を展開していく(普段のように数学の問題を解く)とき、\(p \rightarrow p_1→p_2→・・・→q\)と論理を展開していきますが、得られた\(q\)が\(p\)を満たすとは限らないので、\(q\)が問題に対する正しい答えにならない場合もあるからです。(\(p→q\)は正しいので、例えば\(p→q\)の証明問題は正しくできたことになります)

 

ごちゃごちゃ書きましたが、何が言いたかったかというと論理関係(矢印(→)の向き)が重要ということです。

 

以上です。御疲れさまでした。
ここまで見て頂き、ありがとうございました。
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