2次方程式の共通解

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2つの2次方程式が共通な解をもつ場合について考えていきます。

 

(問題)
2つの2次方程式 \(x^2+6x+12k-24=0\)、\(x^2+(k+3)x+12=0\)がただ1つの実数を共通解としてもつとき、実数\(k\)の値と、そのときの共通解を求めよ。

 

共通解を\(α\)としてそれぞれに代入します。そして2式から次数が高い\(α^2\)を消去していきます。

(解答)
2つの方程式の共通解を\(x=α\)とおくと、それぞれの方程式を満たすので

\(α^2+6α+12k-24=0\)・・・①
\(α^2+(k+3)α+12=0\)・・・②

②-①で\(α^2\)を消去して
\((k-3)α-12k+36=0\)・・・③ 因数分解して
\((k-3)(α-12)=0\)
よって \(k=3\) または \(α=12\)・・・④

ここであらわれた条件は必要条件です。例えば適当な数を\(Y\)とすると、\(α^2+6α+12k-24=Y\) と \(α^2+(k+3)α+12=Y\) の2式からも③が導かれるので、「③ならば①かつ②」が成り立つとは限らないからです。よって条件④(③と同値)が題意を満たしているか(2つの方程式が共通の実数解をもつのか、もつ場合でもただ1つなのか)調べる必要があります。(十分条件であるかどうかの確認をします)
(1)\(k=3\)のとき
2つの方程式は、\(x^2+6x+12=0\) となり、この方程式の判別式を\(D\)とすると、\(\displaystyle\frac{D}{4}=9-12=-3<0\)となり、実数解をもたないため不適。
(2)\(α=12\)のとき
①から \(144+72+12k-24=0\) よって\(k=-16\)
このとき2つの方程式は、
\(x^2+6x-216=0\) \(x^2-13x+12=0\) つまり
\((x+18)(x-12)=0\) \((x-1)(x-12)=0\)
よって2つの方程式はただ1つの解 \(x=12\)をもつ。
以上より、\(k=-16\) 共通解は\(x=12\)
ちなみに、2つの2次方程式から最高次数の項を消去して得られた方程式の解は必ずしももとの2つの方程式の共通解になるとは限りません。例えば
\(x^2-2x-1=0\) と \(x^2-8x+17=0\) から得られる \(6x-18=0\)つまり \(x=3\) はもとの2つの2次方程式の解ではありません。ただ何の意味もないものでもなく、\(x=3\)は \(y=x^2-2x-1\) と \(y=x^2-8x+17\) のグラフの共有点の\(x\)座標となります。(このとき\(y\)座標は\(2\))

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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