\(x^2+3xy+2y^2-x-3y-2\) を因数分解するとき、\(x\)の降べき順に整理して\(y\)のみの式を因数分解して・・・という順序で因数分解をしていくことができますが、2次方程式の解の公式を利用しても因数分解するとができます。
・2次方程式解の公式を利用した因数分解
まず \(x^2+3xy+2y^2-x-3y-2=0\) とおいて、これを\(y\)を定数とみて\(x\)の2次方程式と考えます。ここで、\(ax^2+bx+c=0\) の2解を\(α,β\)とおくと、\(ax^2+bx+c=a(x-α)(x-β)\) と因数分解できることを利用します。(→因数分解⑦ 2次方程式の解の利用 参照)
実際にやってみます。
\(x^2+3xy+2y^2-x-3y-2=0\)とおく。\(x\)について整理して
\(x^2+(3y-1)x+2y^2-3y-2=0\)
\(x\)の2次方程式として解くと、解の公式から
\(x=\displaystyle\frac{-(3y-1)±\sqrt{(3y-1)^2-4(2y^2-3y-2)}}{2}\)
\(=\displaystyle\frac{-(3y-1)±\sqrt{y^2+6y+9}}{2}\)
\(=\displaystyle\frac{-(3y-1)±\sqrt{(y+3)^2}}{2}\)
\(=\displaystyle\frac{-(3y-1)±|y+3|}{2}\)
\(=\displaystyle\frac{-(3y-1)±(y+3)}{2}\)
\(y+3<0\) のとき \(±|y+3|=∓(y+3)=±(y+3)\) なので、
そのまま絶対値を外すことができます。
よって \(x=-y+2,-2y-1\)
以上から、
\(x^2+3xy+2y^2-x-3y-2\)
\(=\{x-(-y+2))\}\{x-(-2y-1)\}\)
\(=(x+y-2)(x+2y+1)\)
\(x,y\)の2次式 \(x^2-y^2+x+5y+k\) が\(x,y\)の1次式の積に因数分解できるように定数\(k\)の値を定めよ。またこのとき式を因数分解せよ。
\(x^2-y^2+x+5y+k=0\)とおく。\(x\)について整理して
\(x^2+x-y^2+5y+k=0\) これを\(x\)について解くと、判別式を\(D\)として
\(x=\displaystyle\frac{-1±\sqrt{D}}{2}\)・・・①
(ただし \(D=1-4(-y^2+5y+k)=4y^2-20y-4k+1\))
(与式)\(=(x-\displaystyle\frac{-1+\sqrt{D}}{2})(x-\displaystyle\frac{-1-\sqrt{D}}{2})\)
\(=(x-\displaystyle\frac{-1+\sqrt{4y^2-20y-4k+1}}{2})(x-\displaystyle\frac{-1-\sqrt{4y^2-20y-4k+1}}{2})\)
\(\displaystyle\frac{D’}{4}=100-4(-4k+1)=0\)を解いて、\(k=-6\)
(与式)\(=\{(x-(y-3)\}\{x-(-y+2)\}\)
\(=\)\((x-y+3)(x+y-2)\)
与式の2次の部分は \(x^2-y^2=(x+y)(x-y)\) と因数分解できるので、与式が1次式の式に因数分解できるとき
(与式)\(=(x+y+a)(x-y+b)\) と表せるので、これを展開して、\(x^2-y^2+x+5y+k\)と係数を比較しても解くことができます。
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうざいました。