実数解のとりうる値の範囲

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次の問題にどうアプローチをしますか?

 

(問題)
\(x\)の2次方程式 \(x^2-2px+3p^2-4p-2=0\) (\(p\)は実数)について、この方程式が実数解をもつとき、その解\(x\)がとる値の範囲を求めよ。

 

\(x=g(p)\)の形にして \(p\)を実数全体で動かして\(x\)のとりうる値の範囲を調べるという方針だと、与式の2次方程式を\(x\)について解くと、解の公式より、
\(x=p±\sqrt{-2p^2+4p+2}\)  (ただし \(-2p^2+4p+2≧0\)) となりますが \(x\)のとりうる値の範囲をこの式から求めるのは大変そうです。発想を変えて\(p\)を動かすと考えずに、「\(x\)が\(k\)という値をとり得る」と出発点を\(x\)からにします。
\(x\)が\(k\)(ただし\(k\)は実数)という値をとり得るとした場合、その\(k\)に対して、
\(k^2-2pk+3p^2-4p-2=0\) を満たす 実数\(p\)が存在するので、与式を\(p\)の2次方程式とみて、判別式\(≧0\)という方針で解いてみます。判別式\(≧0\)から出てくる\(k\)のとり得る値の範囲は、結局\(x\)のとり得る値の範囲なので、\(x=k\)とおかず、\(x\)のままにしておきます。
(解答)
与式を \(p\)について整理すると
\(3p^2-2(x+2)p+(x^2-2)=0\)
これを\(p\)の2次方程式とみると、\(p\)が実数であることから
\(\displaystyle\frac{D}{4}=(x+2)^2-3(x^2-2)≧0\)
\(-2x^2+4x+10≧0\) よって \(x^2-2x-5≦0\)
\(∴ 1-\sqrt{6}≦x≦1+\sqrt{6}\)
\(x\)がこの範囲にない値をとる場合、方程式を満たす実数\(p\)は存在しません(\(p\)は実数となりません)。例えば、\(x=4\)のとき 与式は、\(3p^2-12p+14=0\) となり、この方程式の判別式について \(\displaystyle\frac{D}{4}=36-42<0\)   より、方程式を満たす実数\(p\)は存在しません。よって\(x=4\)は解とはなりません。\(1-\sqrt{6}≦x≦1+\sqrt{6}\) の範囲内の\(x=α\)については対応する実数\(p\)が存在するので、\(p\)を実数範囲で色々動かせばいつかは\(x=α\)の方程式ができることになります。よって\(x=α\)は、解のとり得る範囲の一部です。しかし、この範囲内にない\(x=β\)については対応する実数\(p\)が存在しないため、どんなに\(p\)を動かしても(ただし実数範囲で)、\(x=β\)を解にもつ方程式ができないことになります。よって\(x=β\)は解のとりうる範囲の一部にはなりません。

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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