2次曲線と最大最小①

2次曲線に関する最大最小問題です。

 

(例題1)
点\(P\)は \(3x^2+16y^2=1\) の周上にある。このとき、点\(P\)の直線 \(3x+4y=4\) までの距離の最大値と最小値を求めよ。

 

図で判断するか(接線を考えることになる)、媒介変数を用いて求めることになります。

(解答1)接線を利用

直線までの距離は垂線を下ろすことになるので、直線 \(3x+4y=4\) をこれに垂直な方向に平行移動して(結局ただの平行移動になる)、楕円と直線が交わる場合にもとの直線と移動後の直線の距離が最大最小になるときを考えればよいです。つまり接するときを調べることになります。

2次曲線 最大 例題1-1

\(3x+4y=4\)・・・①
①を平行移動した直線の方程式は
\(3x+4y=k\)・・・②

②が楕円と共有点をもつとき、①と②の距離が点\(P\)と直線①の距離になるので、②と楕円が接する場合を考えればよい。

②より \(4y=-3x+k\)
これを
\(3x^2+16y^2=1\)
に代入して
\(3x^2+(-3x+k)^2=1\)
整理すると
\(12x^2-6kx+k^2-1=0\)
判別式を考えて
\((-3k)^2-12(k^2-1)=0\)
よって
\(k^2=4\)
\(k=±2\)

ゆえに接線は
\(3x+4y=2\)・・・③
\(3x+4y=-2\)・・・④
となり、これらと①との距離がそれぞれ題意の最大最小値になる。

直線と直線の距離は、片方の直線の適当な点(どこでもよいが、切片をとるとよい)ともう一方の直線と距離を考えます。

\(3x+4y-4=0\)・・・①
と③上の点 \((0,\displaystyle\frac{1}{2})\) との距離が最小値
\(\displaystyle\frac{|2-4|}{\sqrt{9+16}}=\)\(\displaystyle\frac{2}{5}\)

①と③上の点 \((0,-\displaystyle\frac{1}{2})\) との距離が最大値
\(\displaystyle\frac{|-2-4|}{\sqrt{9+16}}=\)\(\displaystyle\frac{6}{5}\)

 

(解答2)媒介変数
点\(P\)は \(3x^2+16y^2=1\) の点なので
\(P(\displaystyle\frac{\cosθ}{\sqrt{3}},\ \displaystyle\frac{\sinθ}{4})\) (\(0≦θ<2π\))
とおける。
\(P\)と 直線 \(3x+4y-4=0\) の距離は
\(\displaystyle\frac{|\sqrt{3}\cosθ+\sinθ-4|}{\sqrt{9+16}}\)
(合成をして)
\(=\displaystyle\frac{|2\sin(θ+\displaystyle\frac{π}{3})-4|}{5}\)

\(-1≦\sin(θ+\displaystyle\frac{π}{3})≦1\)
だから、
\(-6≦2\sin(θ+\displaystyle\frac{π}{3})-4≦-2\)

したがって最大値と最小値はそれぞれ
\(\displaystyle\frac{6}{5},\displaystyle\frac{2}{5}\)

 

(参考)
媒介変数表示のよさは変数を1つにできる点です。仮に2変数で処理していくと
\(3X^2+16Y^2=1\) の点 \(P(X,Y)\) と 直線 \(3x+4y-4=0\) の距離\(L\)は
\(L=\displaystyle\frac{|3X+4Y-4|}{5}\)

あとは \(3X^2+16Y^2=1\)・・・(i) を満たす場合の \(3X+4Y\) の最大値最小値を求めればよい。例えば \(3X+4Y=k\) とおいてこれを楕円の方程式(i)に代入して (判別式)≧0 を調べるなどをすればよい。

 

 

 

(例題2)
\(x,y\)は実数であり、\(2x^2+3y^2=1\) を満たす。このとき \(x^2-y^2+xy\) の最大値を求めよ。

 

最大値を求める式が複雑で、\(=k\) とおいたり、文字消去だと面倒そうなので媒介変数で解きたいと思います。

\(2x^2+3y^2=1\) を満たす \(x,y\) は
\(x=\displaystyle\frac{\cosθ}{\sqrt{2}}\)、\(y=\displaystyle\frac{\sinθ}{\sqrt{3}}\) (\(0≦θ<2π\))
と表せる。このとき
\(x^2-y^2+xy\)
\(=\displaystyle\frac{\cos^2θ}{2}-\displaystyle\frac{\sin^2θ}{3}+\displaystyle\frac{\sinθ\cosθ}{\sqrt{6}}\)

(2次式なので\(2θ\)に統一する)

\(=\displaystyle\frac{1+\cos2θ}{4}-\displaystyle\frac{1-\cos2θ}{6}+\displaystyle\frac{\sin2θ}{2\sqrt{6}}\)

\(=\displaystyle\frac{1}{12}(\sqrt{6}\sin2θ+5\cos2θ)+\displaystyle\frac{1}{12}\)

(合成して)

\(=\displaystyle\frac{\sqrt{31}}{12}\sin(2θ+α)+\displaystyle\frac{1}{12}\)
(ただし、\(\cosα=\displaystyle\frac{\sqrt{6}}{\sqrt{31}},\ \sinα=\displaystyle\frac{5}{\sqrt{31}}\))

\(-1≦\sin(2θ+α)≦1\) だから、最大値は
\(\displaystyle\frac{\sqrt{31}+1}{12}\)

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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