楕円に外接する長方形の面積の最大値最小値問題です。
(例題)
\(a,b\)を異なる正の実数とし、楕円
\(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\displaystyle\frac{y^2}{b^2}=1\)・・・①
が\(xy\)平面上にある。
(1)傾き\(m\)の直線が楕円①に接するとき、この接線の方程式を求めよ。
(2)楕円①に4点で外接する長方形の面積の最大値、最小値を求めよ。
(解答)
(1)
\(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\displaystyle\frac{y^2}{b^2}=1\)・・・①
接線の方程式を
\(y=mx+k\)・・・②
とおく。(以下\(k\)を求めます)
②を①に代入して
\(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\displaystyle\frac{(mx+k)^2}{b^2}=1\)
\(x\)について整理して
\((a^2m^2+b^2)x^2+2a^2mkx+a^2(k^2-b^2)=0\)
②が①に接することから、\(\displaystyle\frac{D}{4}=0\) なので
\(a^4m^2k^2-(a^2m^2+b^2)(k^2-b^2)a^2=0\)
整理して
\(a^2b^2(a^2m^2-k^2+b^2)=0\)
よって \(k^2=a^2m^2+b^2\) だから
\(k=±\sqrt{a^2m^2+b^2}\)
したがって接線の方程式は
\(y=mx±\sqrt{a^2m^2+b^2}\)
(2)
また、傾き \(-\displaystyle\frac{1}{m}\) の接線の方程式は(1)と同様の処理をすれば求まるので、作業を楽にするために \(m \to -\displaystyle\frac{1}{m}\) の置き換えをします。
(ア)長方形の辺が座標軸に平行な場合
長方形を作る4直線は \(x=±a\)、\(y=±b\) だから、長方形の面積\(S\)は
\(S=2a×2b=4ab\)
(イ) (ア)以外の場合
長方形を作る2直線の方程式は傾きを\(m\) (\(m≠0\)) とすれば(1)より
\(y=mx±\sqrt{a^2m^2+b^2}\)・・・②
残りの2直線は②に垂直なので、傾きは \(-\displaystyle\frac{1}{m}\) であり、②で \(m \to -\displaystyle\frac{1}{m}\) とすればよいので、その方程式は
\(y=-\displaystyle\frac{1}{m}x±\sqrt{\displaystyle\frac{a^2}{m^2}+b^2}\)・・・③
②③の距離を考えても求まりますが、原点からの距離を考えると楽です。
\(O\)から直線②に垂線\(OH\)を下ろし、\(OH\)の長さを\(d_1\)とすれば②のどちらの場合も
\(d_1=\displaystyle\frac{\sqrt{a^2m^2+b^2}}{\sqrt{m^2+1}}\)
同様に③についても原点との距離を\(d_2\)とすれば
\(d_2=\displaystyle\frac{\sqrt{\displaystyle\frac{a^2}{m^2}+b^2}}{\sqrt{\displaystyle\frac{1}{m^2}+1}}=\displaystyle\frac{\sqrt{a^2+b^2m^2}}{\sqrt{1+m^2}}\)
よって長方形の面積\(S\)は
\(S=2d_1\cdot2d_2\)
\(=4\sqrt{\displaystyle\frac{(a^2m^2+b^2)(a^2+b^2m^2)}{(m^2+1)^2}}\)
ここで、\(m^2=t\) とおくと \(t>0\) であり
\(S=4\sqrt{\displaystyle\frac{(a^2t+b^2)(a^2+b^2t)}{(t+1)^2}}\)
根号内を
\(f(t)=\displaystyle\frac{(a^2t+b^2)(a^2+b^2t)}{(t+1)^2}\)
とおいて微分すると(途中計算省略)
\(f'(t)=\displaystyle\frac{(a^2-b^2)^2(1-t)}{(t+1)^3}\)
最大値は \(t=1\) のときにとり
\(f(1)=(\displaystyle\frac{a^2+b^2}{2})^2\)
また、\(f(0)=a^2b^2\)、\(\displaystyle\lim_{t \to \infty}f(t)=a^2b^2\) だから
\(a^2b^2<f(t)≦(\displaystyle\frac{a^2+b^2}{2})^2\)
ゆえに
\(4ab<S≦2(a^2+b^2)\)
以上(ア)(イ)より長方形の面積の
最大値 \(2(a^2+b^2)\)
最小値 \(4ab\)
\(y=±x±\sqrt{a^2+b^2}\) (複合任意)
となり、長方形は正方形になることが分かります。
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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