三角比の相互関係

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三角比\(\sinθ,\cosθ,\tanθ\)にはどのような相互関係があるでしょうか。

 

・三角比の相互関係
半径1の半円の周上に点\(P(x,y)\)があるとき、\(\angle AOP=θ\) (\(0≦θ≦180°\)) とすると

三角比 相互関係1

\(\sinθ=y\)・・・①
\(\cosθ=x\)・・・②
\(\tanθ=\displaystyle\frac{y}{x}\)・・・③

が成り立ちます。また三平方の定理より

\(x^2+y^2=1\)・・・④

が成り立ちます。(④は直角三角形\(OPQ\)ができない \((x,y)=(±1,0),(0,1)\) でも成り立つ。)

 

\(\cosθ≠0\) つまり \(θ≠90°\)のとき ①②を③に代入して
\(\tanθ=\displaystyle\frac{\sinθ}{\cosθ}\)・・・⑤

①②を④に代入すると
\(\sin^2θ+\cos^2θ=1\)・・・⑥

\(θ≠90°\)のとき  ⑥の両辺を\(\cos^2θ\)で割ると
\(1+\tan^2θ=\displaystyle\frac{1}{\cos^2θ}\)・・・⑦

⑤~⑦は超重要公式です。必ず覚えましょう。

 

 

(問題1)
\(0°≦θ≦180°\) とする。
\(\sinθ=\displaystyle\frac{2}{5}\) のとき、\(\cosθ,\tanθ\) の値を求めよ。

(解答)
\(\sin^2θ+\cos^2θ=1\) より \(\cos^2θ=1-\sin^2θ\)
\(\cosθ=±\sqrt{1-\sin^2θ}=±\sqrt{1-\displaystyle\frac{4}{25}}=\)\(±\displaystyle\frac{\sqrt{21}}{5}\)

\(\tanθ=\displaystyle\frac{\sinθ}{\cosθ}=\displaystyle\frac{2}{5}÷(±\displaystyle\frac{\sqrt{21}}{5})=\)\(±\displaystyle\frac{2}{\sqrt{21}}\)

\(\sinθ=\displaystyle\frac{2}{5}\) を満たす\(θ\)は、鋭角と鈍角の2つ存在するので、\(\cosθ,\tanθ\) はそれぞれ2つずつ値が存在します。

 

(問題2)
\(0°≦θ≦180°\) とする。
\(\tanθ=-2\) のとき、\(\sinθ,\cosθ\) の値を求めよ。

 

今度は、\(\tanθ=-2\)より\(θ\)が鈍角であることが分かり、\(\sinθ,\cosθ\)はそれぞれ1つずつしか値は存在しません。
(解答)
\(\tanθ=-2\) から、\(90°<θ<180°\) よって、\(\cosθ<0\)
\(\displaystyle\frac{1}{\cos^2θ}=1+\tan^2θ\) より
\(\cos^2θ=\displaystyle\frac{1}{1+\tan^2θ}=\displaystyle\frac{1}{5}\)
\(\cosθ<0\)だから \(\cosθ=-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{5}}\)
また、\(\tanθ=\displaystyle\frac{\sinθ}{\cosθ}\) より \(\sinθ=\tanθ\cosθ\)
よって、\(\sinθ=-2・(-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{5}})=\)\(\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)

 

\(\tanθ=\displaystyle\frac{\sinθ}{\cosθ}\)だけは、2乗の形が存在しないので±の吟味がいりません。3つの値のうち2つの値が分かっている場合にはこちらを使うと便利です。

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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