角の二等分線と面積

 

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(問題)
\(AB=3,AC=2,\angle BAC=60°\) の\(△ABC\)において、\(\angle A\) の2等分線と\(BC\)の交点を\(D\)とするとき、線分\(AD\)の長さを求めよ。

 

 

余弦定理のみを用いる方法と、三角形の面積を用いる方法両方で解いてみます。まずは三角形の面積を用いる方法からです。こちらのほうが解答がスマートです。

(解答)面積を用いる方法

二等分線 面積1

\(AD=x\)とする。
\(△ABC=\displaystyle\frac{1}{2}・3・2・\sin60°=\displaystyle\frac{3\sqrt{3}}{2}\) であり

\(△ABC=△ABD+△ACD=\displaystyle\frac{1}{2}・3・x・\sin30°+\displaystyle\frac{1}{2}・2・x・\sin30°\) だから
\(\displaystyle\frac{3\sqrt{3}}{2}=\displaystyle\frac{5}{4}x\)

したがって
\(AD=x=\displaystyle\frac{6\sqrt{3}}{5}\)

 

 

(解答2)余弦定理を用いる方法

二等分線 余弦定理

 

三角形\(ABC\)において余弦定理より
\(BC^2=3^2+2^2-2・3・2\cos60°\)
\(BC=7\) で\(BC>0\) より \(BC=\sqrt{7}\)

 

また、\(AD\)は角\(A\)の二等分線だから
\(BD:DC=3:2\) であり、\(BD=\displaystyle\frac{3\sqrt{7}}{5}\)

 

\(AD=x\) とおいて、三角形\(ABD\)において余弦定理より
\((\displaystyle\frac{3\sqrt{7}}{5})^2=3^2+x^2-2・3・x・\cos30°\)
整理すると
\(x^2-3\sqrt{3}+\displaystyle\frac{162}{25}=0\)
\((x-\displaystyle\frac{6\sqrt{3}}{5})(x-\displaystyle\frac{9\sqrt{3}}{5})=0\)
よって \(AD=x=\displaystyle\frac{6\sqrt{3}}{5},\displaystyle\frac{9\sqrt{3}}{5}\)

 

\(AD\)の値が2つ出てきました。問題文から\(△ABC\)の2辺\(AB,AC\)と挟まれる角\(A\)が定まっているので、\(△ABC\)は1つしか考えられません。よって二等分線も1つであり、\(AD\)の値も1つとなるはずです。よってどちらかが不適となります。\(AB>AC\)だから、頂点\(A\)は\(BC\)の垂直二等分線より右側に位置しているので、\(\angle ADB\) は鈍角となり、得られた2点の\(D\)は図のようになり\(A\)に近い方の\(D\)が適するものになります。
右側の三角形\(ACD\)についても余弦定理を用いて、共通の解を求めてもよいです。
図より\(\angle ADB\) は鈍角であり、\(AD=\displaystyle\frac{9\sqrt{3}}{5}\) のとき、\(D\)は\(BC\)上にないため不適。

したがって、\(AD=\displaystyle\frac{6\sqrt{3}}{5}\)

 

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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