有理数(分数の形で表される数)についての復習から始めます。
・有理数
整数\(m\)と\(0\)でない整数\(n\)を用いて、\(\displaystyle \frac{m}{n}\)と表すことができる数を有理数といいます。整数\(m\)は、\(\displaystyle \frac{m}{1}\)と表されるので有理数です。
整数でない有理数は、小数で表すと、\(\displaystyle \frac{1}{4}=0.25\) のように有限個の数字で表される有限小数か、\(\displaystyle \frac{5}{3}=1.66666・・・\)のように循環小数(同じ数の並びが繰り返される無限小数)のどちらかとなります。
有理数や無理数に関しては →(3-1)有理数と無理数(実数) を参照してください。
・有限小数、循環小数と分母の素因数
有限小数を分数で表したときの、分母の素因数は\(2,5\)のみです。
(分母の素因数が\(2,5\)のみだと、有限小数となる。)
循環小数(無限小数)を分数で表したときは、分母の素因数は\(2,5\)以外のものがあります。
(分母の素因数に\(2,5\)以外のものがあると循環小数となる。)
(理由)
有限小数は、\(3.25\) や\(0.6859\) などのように限りがある数です。
これらの小数は、分母を\(10^n\) として分数で表すことができます。
\(3.25=\displaystyle\frac{325}{100}\)
\(0.6859=\displaystyle\frac{6859}{10000}\)
逆に、分母が\(10^n\) の分数は、有限小数です。
また、分数は分母分子に同じ数を掛けることができるので、分母が\(10^n\) の形をしていない分数でも、\(10^n\)の形に変形できるものは有限小数となります。\(10^n\) の形に変形できるものは、\(10=2×5\) なので、もとの分数の分母の素因数が\(2,5\) のみでできていなければなりません。
\(\displaystyle\frac{411}{2}=\displaystyle\frac{411×5}{2×5}\)\(=\displaystyle\frac{2055}{10}\) (有限小数)
(例題1)
次のうち有限小数となるものはどれか。
①\(\displaystyle\frac{244}{15}\) ②\(\displaystyle\frac{63}{20}\) ③\(\displaystyle\frac{317}{625}\)
(解答)
すべて分母に着目して
①\(15=3×5\) ②\(20=2^2×5\) ③\(625=5^4\)
より、素因数が\(2,5\) のみでできているものは、②③
よって、有限小数は ②③
(例題2)
\(\displaystyle\frac{100}{n}\) の分子を分母で割ると、循環小数となるような\(100\)以下の\(n\)はいくつあるか。
(解答)
\(\displaystyle\frac{100}{n}\)が整数となるの\(n\)の個数は
\(100=2^2×5^2\) より、\(3×3=9\) (個)
また、有限小数となるのは
(1)素因数が\(2\)のみ \(n=2^3,2^4,2^5,2^6\) の4個
(2)素因数が\(5\)のみ なし
(3)素因数が\(2,5\) \(n=2^3×5,2^4×5\) の2個
以上より求める個数は
\(100-9-(4+2)=\)\(85\)(個)
以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。