n進法と小数・分数

 

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\(n\)進法で表された小数を\(10\)進法で表したり、\(10\)進法で表された小数を\(n\)進法で表したりする問題について見ていきます。

 

 

・\(n\)進法の小数

\(10\)進法では小数点以下の位は
\(\displaystyle\frac{1}{10}\)の位、\(\displaystyle\frac{1}{10^2}\)の位、\(\displaystyle\frac{1}{10^3}\)の位・・・となり、

同様に\(n\)進法での小数点以下の位は
\(\displaystyle\frac{1}{n}\)の位、\(\displaystyle\frac{1}{n^2}\)の位、\(\displaystyle\frac{1}{n^3}\)の位・・・となります。

 

 

まずは\(n\)進数→\(10\)進数の問題です。

 

(例題1)
(1)\(1.011_{(2)}\) を\(10\)進法(ただし既約分数)で表せ。
(2)\(0.\dot1\dot2_{(3)}\) を\(10\)進法(ただし既約分数)で表せ。

 

 

(解答)
(1)

小数部分が、\(\displaystyle\frac{1}{2}\)の位、\(\displaystyle\frac{1}{2^2}\)の位、\(\displaystyle\frac{1}{2^3}\)の位・・・となります。
やることは整数の\(2\)進数を\(10\)進数にすることと変わりません。

\(1.011_{(2)}\)
\(=1×2^0+0×\displaystyle\frac{1}{2}+1×\displaystyle\frac{1}{2^2}\)\(+1×\displaystyle\frac{1}{2^3}\)
\(=1+\displaystyle\frac{1}{4}+\displaystyle\frac{1}{8}\)
\(=\)\(\displaystyle\frac{11}{8}\)

 

 

(2)

循環小数を分数に直すには、もとの数を何倍かして引き算をすると共通部分が一気に消えることを利用します。\(10\)進数の循環小数を\(10\)進数の分数に直す方法と一緒です。

\(x=0.\dot1\dot2_{(3)}\) とする。

\(x=\)\(\displaystyle\frac{1}{3}+\displaystyle\frac{2}{3^2}\)\(+\displaystyle\frac{1}{3^3}+\displaystyle\frac{2}{3^4}+・・・\)・・・①

両辺を\(3^2\)倍すると
\(9x=3+2+\)\(\displaystyle\frac{1}{3}+\displaystyle\frac{2}{3^2}\)\(+\displaystyle\frac{1}{3^3}+\displaystyle\frac{2}{3^4}+・・・\)・・・②

②ー①より
\(8x=5\)
よって
\(x=0.\dot1\dot2_{(3)}=\)\(\displaystyle\frac{5}{8}\)

 

 

次に \(10\)進数→\(n\)進数の問題です。

 

(例題2)
(1)\(10\)進数 \(0.776\) を\(5\)進法の小数で表せ。
(2)\(\displaystyle\frac{5}{16}\) を\(7\)進法の小数で表せ。

 

 

(解答)
(1)

\(0.776\)を\(\displaystyle\frac{1}{5}\),\(\displaystyle\frac{1}{5^2}\),\(\displaystyle\frac{1}{5^3}・・・\)を使った和で表せればよいので、\(\displaystyle\frac{1}{5}\)でくくっていく、つまり\(5\)倍を繰り返していけばよいことになります。整数では\(5\)で割ったのと対比させて覚えてください。

\(0.776=\displaystyle\frac{1}{5}×(3.88)\) (0.776×5=3.88)

\(=\displaystyle\frac{1}{5}×(\)\(3\)\(+0.88)\) (整数部分と小数部分をわける)

\(=\displaystyle\frac{\color{red}{3}}{5}+\displaystyle\frac{1}{5}(0.88)\)

\(=\displaystyle\frac{3}{5}+\displaystyle\frac{1}{5}(\displaystyle\frac{1}{5}×4.4)\) (0.88×5=4.4)

\(=\displaystyle\frac{3}{5}+\displaystyle\frac{1}{5}\{\displaystyle\frac{1}{5}×(\)\(4\)\(+0.4)\}\)

\(=\displaystyle\frac{3}{5}+\displaystyle\frac{\color{red}{4}}{5^2}+\displaystyle\frac{1}{5^2}×0.4\)

\(=\displaystyle\frac{3}{5}+\displaystyle\frac{4}{5^2}+\displaystyle\frac{1}{5^2}×(\displaystyle\frac{1}{5}×\)\(2\)\()\) (0.4×5=2)

\(=\displaystyle\frac{\color{red}{3}}{5}+\displaystyle\frac{\color{red}{4}}{5^2}+\displaystyle\frac{\color{red}{2}}{5^3}\)

よって、答えは \(0.342_{(5)}\)

 

 

※以上のことは、\(5\)倍して整数部分を除き、再び\(5\)倍して整数部分を除き、再び5倍して・・・の繰り返しの作業です。そして小数部分が無くなったら終わりで、整数部分を順に並べたものが答えとなります。

 

n進法 小数

 

(2)

\(7\)進法なので同様に\(7\)倍を繰り返します。
ただ今回はいつまでたっても小数部分がなくなりませんが、規則性があります。

\(\displaystyle\frac{5}{16}×7=\displaystyle\frac{35}{16}=2+\displaystyle\frac{3}{16}\) ・・・整数部分\(2\)

\(\displaystyle\frac{3}{16}×7=\displaystyle\frac{21}{16}=1+\displaystyle\frac{5}{16}\) ・・・整数部分\(1\)

\(\displaystyle\frac{5}{16}×7=\displaystyle\frac{35}{16}=2+\displaystyle\frac{3}{16}\) ・・・整数部分\(2\)

以下繰り返しなので
答えは \(0.212121・・・_{(7)}=\)\(0.\dot{2}\dot{1}_{(7)}\)

 

 

(ちなみに、\(\displaystyle\frac{5}{16}=0.3125\)なので、\(0.3125\)を\(7\)進法で表せという問題と同じになります。)

 

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

 

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