極方程式で表された曲線の長さの求め方です。
・極方程式と曲線の長さ
極方程式 \(r=f(θ)\) (\(α≦θ≦β\)) で表された曲線の長さを求めるには
\(x=r\cosθ=f(θ)\cosθ\)
\(y=r\sinθ=f(θ)\sinθ\)
と媒介変数表示にするのが基本です。ここから公式化すると次の通りになります。
\(\displaystyle\frac{dx}{dθ}=f'(θ)\cosθ-f(θ)\sinθ\)
\(\displaystyle\frac{dy}{dθ}=f'(θ)\sinθ+f(θ)\cosθ\) より
\((\displaystyle\frac{dx}{dθ})^2+(\displaystyle\frac{dy}{dθ})^2\)
\(=\{f'(θ)\}^2(\sin^2θ+\cos^2θ)+\{f(θ)\}^2(\sin^2θ+\cos^2θ)\)
\(=\{f'(θ)\}^2+\{f(θ)\}^2\)
よって曲線の長さ\(L\)は
\(L=\displaystyle\int_{α}^{β}\sqrt{\{f'(θ)\}^2+\{f(θ)\}^2}dθ\)
\(\left(=\displaystyle\int_{α}^{β}\sqrt{(\displaystyle\frac{dr}{dθ})^2+r^2}dθ\right)\)
(例題)
極方程式 \(r=1+\cosθ\) (\(0≦θ≦π\)) で表される曲線の長さを求めよ。
(解答)
曲線の方程式を媒介変数表示すると
\(x=(1+\cosθ)\cosθ\)
\(y=(1+\cosθ)\sinθ\)
\(\displaystyle\frac{dx}{dθ}=-\sinθ+2\cosθ(-\sinθ)=-\sinθ-\sin2θ\)
\(\displaystyle\frac{dy}{dθ}=\cosθ+\displaystyle\frac{1}{2}\cdot2\cos2θ=\cosθ+\cos2θ\)
\((\displaystyle\frac{dx}{dθ})^2+(\displaystyle\frac{dy}{dθ})^2\)
\(=1+1+2(\cos2θ\cosθ+\sin2θ\sinθ)\)
(加法定理の逆より)
\(=2+2\cos(2θ-θ)\)
\(=2(1+\cosθ)\)
よって曲線の長さ\(L\)は
\(L=\displaystyle\int_{0}^{π}\sqrt{2(1+\cosθ)}dθ\)
(半角の公式より)
\(=\displaystyle\int_{0}^{π}\sqrt{2\cdot2\cos^2\displaystyle\frac{θ}{2}}dθ\)
\(=2\displaystyle\int_{0}^{π}\left|\cos\displaystyle\frac{θ}{2}\right|dθ\)
(\(0≦θ≦π\) のとき \(\cos\displaystyle\frac{θ}{2}≧0\) )
\(=2\displaystyle\int_{0}^{π}\cos\displaystyle\frac{θ}{2}dθ\)
\(=2\left[2\sin\displaystyle\frac{θ}{2}\right]_{0}^{π}\)
\(=4\)
(参考)
公式を利用すると
\(r=1+\cosθ\) より
\((\displaystyle\frac{dr}{dθ})^2+r^2\)
\(=(-\sinθ)^2+(1+\cosθ)^2\)
\(=2+2\cosθ\) だから
\(L=\displaystyle\int_{0}^{π}\sqrt{2(1+\cosθ)}dθ\)
(後は同様)
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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