最高位の数と個数

最高位の数が \(p\) であるものの個数を数える問題について見ていきます。

 

(例題)
\(\log_{10}2=0.3010\cdots\) である。

(1) 次の式を満たす整数\(k\)の値を求めよ。
\(10^{4}<2^{k}<2\cdot10^4\)

(2) \(2004\)個の\(2\)の累乗, \(2^{1},2^{2},2^{3},\cdots,2^{2004}\) のうち、10進法で表したとき、その最高位の数字が\(1\)であるものの個数を求めよ。

 

 

 

(解答)
(1)

たかだか \(10^{4}=10000\) なので、具体的に\(2^{k}\) を計算しても解けますが、
(2)も踏まえて常用対数を利用して解答します。

\(10^{4}<2^{k}<2\cdot10^4\) より常用対数をとって

\(4<k\log_{10}2<\log_{10}2+4\)

\(\displaystyle\frac{4}{\log_{10}2}<k<1+\displaystyle\frac{4}{\log_{10}2}\)

よって
\(13.2\cdots<k<14.2\cdots\)・・・①

\(k\)は整数だから、\(k=14\)

 

(2)

(1)は5桁の\(2\)の累乗で最高位の数字が\(1\)となるものを調べました。
同様に考えて、\(m\) 桁の \(2\)の累乗で最高位が\(1\)となるものは
\(10^{m-1}≦2^{k}<2\cdot10^{m-1}\)
常用対数をとって、\(k\)について整理すると
\(\displaystyle\frac{m-1}{\log_{10}2}≦k<1+\displaystyle\frac{m-1}{\log_{10}2}\)・・・②
②の\(m=5\)の場合が(1)です。するとこの不等式は区間がちょうど\(1\)なので、\(m\)1つに対して②を満たす整数\(k\)が1つとれます。そして、\(2^{2004}\) は対数を使って計算すると\(604\)桁となるので、\(m=1,2・・・604\) の場合でそれぞれ、\(1≦k≦2004\) の範囲で②を満たす整数\(k\)がとれるかどうかを確認すればよいことになります。(ほとんど整数\(k\)がとれますが、一部不適なものがあります)

\(\log_{10}2^{2004}\)
\(=2004\log_{10}2\)
\(=603.2\cdots\)

よって \(2^{2004}\) は \(604\)桁の数で
\(2^{1},2^{2},2^{3},\cdots,2^{2004}\) は\(1~604\)桁の数となる。

\(2^{k}\) が \(m\)桁で最高位の数が\(1\)となる自然数となる条件は

\(10^{m-1}≦2^{k}<2\cdot10^{m-1}\)

常用対数をとって
\(m-1≦k\log_{10}2<\log_{10}2+m-1\)

\(\displaystyle\frac{m-1}{\log_{10}2}≦k<1+\displaystyle\frac{m-1}{\log_{10}2}\)・・・②

②の区間には整数がただ1つ存在し、異なる\(m\)について共通範囲がないことに注意して

\(m=1\) のとき
②は \(0≦k<1\) となり、整数は \(k=0\) しかとれないので不適。

\(m≧2\) のとき
②を満たす自然数\(k\)が存在する。

\(m=604\) のとき
②は \(2003.3\cdots≦k<1+<2004.3\cdots\) となり
\(k=2004\) がとれる。

\(m<604\) のとき、\(k<2004\) と②を満たす\(k\)がとれるので

\(2≦m≦604\) のとき②を満たす\(2004\)以下の自然数\(k\)が各\(m\)に対して1つずつ存在し、各\(k\)はすべて異なる。

したがって、最高位の数字が\(1\)となる個数は \(603\)個

 

 

(重要別解)

桁数の変化に着目するとスマートに解くことができます。
\(2^{2004}\) は\(2\)が2004回掛けられていますが、その桁数は\(604\)桁でした。
ということは\(2\)が掛けられていくうち、「桁数が変わらないとき と 変わるとき」があることになります。桁数の変化は最高位の数に依存しそうなので、最高位の数字 \(1~9\) の9パターン全てについてそれぞれ\(2\)を掛けた場合、次の最高位の数がどうなるかを考えると
(最高位が1)→ 2 か 3 になる
(10000…~19999… を2倍するので2か3  以下同様)
(最高位が2)→ 4 か 5 になる
(最高位が3)→ 6 か 7 になる
(最高位が4)→ 8 か 9 になる
と、ここまでは桁数の変化がない場合で
(最高位が5~9) →桁数が増えて、最高位は1
と分類できます。
すると最高位が1になるのは、桁数が増えたときだけになるので、
\(2^{1}\) は\(1\)桁、\(2^{2004}\)  が\(604\) 桁で、桁数が\(603\)回増えるので、個数は \(603\) 個となります。

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
next→対数関数の文章問題への利用 back→ある桁の数

タイトルとURLをコピーしました