集合の包含関係と相等の証明

 

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最後に集合に関する証明問題を見ていきます。

 

 

(問題1)
\(Z\)を整数全体の集合とし、\(A=\{3n+2|n \in Z\}\), \(B=\{6n+5|n \in Z\}\) とするとき、\(A \supset B\) であるが、\(A≠B\)であることを証明せよ。

 

 

\(A \supset B\)の証明は、\(B\)のすべての要素が\(A\)に属することを示せばよいので、\(6n+5\)をうまく変形して \(3×\)(整数)\(+2\) の形にします。\(A≠B\) は \(A=B\)でないことを示せばよいので、\(A=B\)の反例を1つでもあげればよいです。

(解答)
\(x \in B\) とすると、\(x=6n+5\) であり
\(x=6n+5=6n+3+2\)\(=3(2n+1)+2\)
\(2n+1\)は整数だから、\(3(2n+1)+2\)は\(A\)の要素である。

よって、\(x \in B\) ならば \(x \in A\) であるから、\(A \supset B\)

また、整数\(2\)は\(A\)の要素であるが、\(B\)の要素ではないので \(A≠B\)

 

 

(問題2)
\(Z\)を整数全体の集合とするとき、次の集合\(A,B\)は等しいことを証明せよ。
\(A=\{9x+5y|x \in Z,y \in Z\}\)
\(B=\{7x+3y|x \in Z,y \in Z\}\)

 

 

\(A=B\)の証明は、\(A \subset B\) かつ \(B \subset A\) を示すことになるので、片方の数式をもう片方の数式の形になるようにうまく変形すればよいです。例えば、\(9x+5y\)を変形する場合は、もう片方の数式の係数が\(7\)と\(3\)なので、\(9\)と\(5\)を\(7\)と\(3\)の整数倍を用いて表します。

(ア)\(A \subset B\)を示す。
\(p \in A\) とすると、\(p=9x+5y\) であり、
\(9=7×0+3×3\), \(5=7×2+3×(-3)\) だから

\(p=3・3x+(7・2-3・3)y\)\(=7×(2y)+3(3x-3y)\)
\(x,y\)は整数なので、\(2y,3x-3y\)も整数。
よって、\(p \in B\)

したがって、\(A \subset B\)が成り立つ。

 

(イ)\(B \subset A\)を示す。
\(q \in B\) とすると、\(q=7x+3y\)
\(7=9×3+5×(-4)\), \(3=9×2+5×(-3)\) だから

\(q=(9・3-5・4)x+(9・2-5・3)y\)\(=9(3x+2y)+5(-4x-3y)\)
\(x,y\)は整数なので、\(3x+2y\),\(-4x-3y\)も整数。
よって、\(q \in A\)

したがって、\(B \subset A\)が成り立つ。

 

以上(ア)(イ)より、\(A \subset B\) かつ \(B \subset A\)だから
\(A=B\) である。

 

 

例えば、\(5=7×2+3×(-3)\) を作るためには、\(5=7×□+3×○\) の\(□\)と\(○\)に色々整数を入れてみてください。決め方は1通りではありません。

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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