調和数列

調和数列について見ていきます。

知らないと問題が解けない恐れがあるので、調和数列の意味は一応おさえておきましょう。

 

・調和数列
どの項も\(0\)でない数列\(\{a_n\}\)について、逆数を項とする数列\(\{\displaystyle\frac{1}{a_n}\}\) が等差数列となるとき、もとの数列\(\{a_n\}\)を調和数列といいます。

例えば数列
\(\{a_n\}:1,\displaystyle\frac{1}{3},\displaystyle\frac{1}{5},\displaystyle\frac{1}{7},\cdots\)

の逆数をとった数列は
\(\{\displaystyle\frac{1}{a_n}\}:1,3,5,7,\cdots\)
であり等差数列となるので、\(\{a_n\}\)は調和数列となります。

\(\{a_n\}\)が調和数列であるとき、\(a_{n+1},a_{n}\)について次の等式が成り立ちます。

\(\displaystyle\frac{1}{a_{n+1}}-\displaystyle\frac{1}{a_n}=d\) (\(d\)は定数)

また反対にとらえると、等差数列(どの項も\(0\)でない)の逆数をとって得られる数列は調和数列であることになります。

 

 

 

(例題1)
調和数列\(\{a_n\}\)において、\(a_2=1\), \(a_5=-\displaystyle\frac{1}{5}\) のとき、\(a_{21}\) を求めよ。

 

逆数をとると等差数列になります。等差数列の一般項を求めることにより、調和数列の一般項が分かります。

(解答)
\(\{\displaystyle\frac{1}{a_n}\}\) は等差数列になる。

\(\displaystyle\frac{1}{a_n}=a+(n-1)d\) とおくと

\(\displaystyle\frac{1}{a_2}=1\), \(\displaystyle\frac{1}{a_5}=-5\) より

\(1=a+d\), \(-5=a+4d\)
よって
\(d=-2\), \(a=3\) となるので

\(\displaystyle\frac{1}{a_n}\)\(=3-2(n-1)\)\(=-2n+5\)

したがって
\(a_n=\displaystyle\frac{1}{-2n+5}\) となるから

\(a_{21}=-\displaystyle\frac{1}{37}\)

 

 

 

(例題2)
数列 \(12,□,□,3\) は調和数列である。

 

 

例題1のように一般項を求めてもよいですが、項数が少ないので逆数をとったときの公差を\(d\)として求めていきます。

(解答)
数列
\(\displaystyle\frac{1}{12},△,△,\displaystyle\frac{1}{3}\)
は等差数列になるので、この公差を\(d\)とすると

\(\displaystyle\frac{1}{12}+3d=\displaystyle\frac{1}{3}\)
\(d=\displaystyle\frac{1}{12}\)

よってこの等差数列は
\(\displaystyle\frac{1}{12},\displaystyle\frac{1}{6},\displaystyle\frac{1}{4},\displaystyle\frac{1}{3}\)

となるので、もとの調和数列は
\(12,\)\(6,4\)\(,3\)

 

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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