an+1=p・an+q 型

\(a_{n+1}=pa_n+q\) の形をした漸化式の解き方について見ていきます。

これから様々な漸化式の解き方について見ていきますが、ポイントは式変形をして
等差・等比・階差の基本形にもちこむ
②両辺の\(n\)について1つずれた形にする(階差の部分は除く)
です。

 

 

・\(a_{n+1}=pa_n+q\) 型の漸化式

\(a_1=3\), \(a_{n+1}=3a_n-2\)

で定められる数列の一般項は次のように求めます。

まず、\(a_n\)の係数が\(3\)であることと\(a_{n+1},a_{n}\)以外には定数項しかないことから

\(a_{n+1}-α=3(a_n-α)\)・・・①

の形に変形することを目指します。この変形を目指す理由は左辺と右辺で\(a_{n+1}-α\)と\(a_{n}-α\)が\(n\)について1つずれた形になっていて、\(a_{n}-α=b_{n}\)と置き換えることで、①が \(b_{n+1}=3b_{n}\) と等比数列型の漸化式になるからです。

ここで\(α\)を求めると、もとの漸化式は
\(a_{n+1}=3a_n-2\)
①より
\(a_{n+1}-α=3a_{n}-3α\) だからこの2式の差をとることで

\(α=3α-2\)・・・②

という\(α\)の方程式が導かれます。この\(α\)の方程式は特性方程式とよばれ、もとの漸化式
\(a_{n+1}=3a_n-2\)
の\(a_{n+1},a_{n}\)をちょうど\(α\)に置き換えたものになっています。

 

以上のことから実際に一般項を求めると②より
\(α=1\) だから、①より漸化式は

\(a_{n+1}-1=3(a_n-1)\)

と変形できるので、\(a_n-1=b_{n}\) とおくと \(b_1=a_1-1=2\) であり

\(b_{n}=3b_{n}\), \(b_1=2\) より

\(b_n=2\cdot3^{n-1}\)

\(a_n-1=2\cdot3^{n-1}\)

\(a_n=2\cdot3^{n-1}+1\)

となります。

 

一般的には漸化式
\(a_{n+1}=pa_n+q\)・・・③ (\(p,q\)は定数で、\(p≠1\))

(\(p=1\)のときは等差数列になるので除外)

において
\(a_{n+1}-α=p(a_n-α)\)・・・④ (等比数列型)

と変形できるとして、③-④より
\(α=pα+q\) (特性方程式)

\((1-p)α=q\)
\(p≠1\) だから
\(α=\displaystyle\frac{q}{1-p}\)
であり

④より
\(a_{n+1}-\displaystyle\frac{q}{1-p}=p(a_n-\displaystyle\frac{q}{1-p})\)
となり、等比数列型の漸化式に帰着できます。

最後の一般論はあまり気にしないでよいです。
個々の問題で特性方程式を解いて一般項を求めていけばよいです。

 

 

 

(例題1)
\(a_1=6\), \(a_{n+1}=2a_{n}-3\) で定められる数列を\(\{a_n\}\)とする。

(1)\(a_n<1560\) を満たす自然数\(n\)のうちで最大のものを\(N\)とする。この\(N\)を求めよ。
(2) (1)の\(N\)に対し、数列\(\{a_n\}\)の初項から第\(N\)項までの和を求めよ。

 

\(a_{n+1}=pa_n+q\) 型なので、数列の一般項が求まります。

(解答)
(1)
\(α=2α-3\) を解くと
\(α=3\)

よって漸化式は
\(a_{n+1}-3=2(a_n-3)\)
と変形できる。

\(b_{n}=a_n-3\) とおくと

\(b_1=a_1-3=6-3=3\) (新たな\(b_n\)に関して初項を求める)
\(b_{n+1}=2b_n\)

となるから
\(b_{n}=3\cdot2^{n-1}\)

よって
\(a_n-3=3\cdot2^{n-1}\)
\(a_n=3\cdot2^{n-1}+3\)

\(a_n<1560\) より
\(3\cdot2^{n-1}+3<1560\)
\(3\cdot2^{n-1}<1557\)
\(2^{n-1}<519\)

\(2^{9}=512\), \(2^{10}=1024\) より
この不等式を満たす最大の自然数\(N\)について
\(N-1=9\)

したがって
\(N=10\)

 

(2)

シグマ計算です。

求める和\(S\)は

\(S=\displaystyle\sum_{k=1}^{10}(3\cdot2^{k-1}+3)\)
\(=\displaystyle\sum_{k=1}^{10}3\cdot2^{k-1}+\displaystyle\sum_{k=1}^{10}3\)
\(=\displaystyle\frac{3(2^{10}-1)}{2-1}+3×10\)
\(=3\cdot2^{10}-3+30\)
\(=3099\)

 

 

 

 

(例題2)
\(p\)を定数とするとき
\(a_1=1\), \(a_{n+1}=pa_n-2\)
によって定義される数列\(\{a_{n}\}\)の一般項を求めよ。

 

 

\(p=1\) では等差数列になるので場合分けします。特性方程式を解く際に\(1-p\)で割ることからも場合分けに気づけます。

(解答)
①\(p≠1\) のとき
\(α=pα-2\) を解くと
\((1-p)α=-2\)
\(α=\displaystyle\frac{2}{p-1}\)

よって漸化式は次のように変形できる。
\(a_{n+1}-\displaystyle\frac{2}{p-1}=p(a_n-\displaystyle\frac{2}{p-1})\)

\(a_n-\displaystyle\frac{2}{p-1}=b_{n}\) とおくと

\(b_1=a_1-\displaystyle\frac{2}{p-1}=1-\displaystyle\frac{2}{p-1}\)
\(=\displaystyle\frac{p-3}{p-1}\)
\(b_{n+1}=pb_n\)

となるから
\(b_n=\displaystyle\frac{p-3}{p-1}\cdot p^{n-1}\)

\(a_n-\displaystyle\frac{2}{p-1}=\displaystyle\frac{p-3}{p-1}\cdot p^{n-1}\)

したがって
\(a_n=\displaystyle\frac{p-3}{p-1}\cdot p^{n-1}+\displaystyle\frac{2}{p-1}\) (\(p≠1\))

 

②\(p=1\)のとき
\(a_1=1\), \(a_{n+1}=a_n-2\) より

\(a_n=1+(n-1)\cdot(-2)\)
よって
\(a_n=-2n+3\) (\(p=1\))

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
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