条件式のある等式の証明に関する問題です。
(例題1)
\(a+b+c=0\)のとき、次の等式を証明せよ。
\((b+c)^2+(c+a)^2+(a+b)^2\)\(=-2(bc+ca+ab)\)
\(c=-(a+b)\) として、代入してみます。
(解答)
\(c=-(a+b)\)より
(左辺)
\(=(-a)^2+(-b)^2+(a+b)^2\)
\(=a^2+b^2+a^2+2ab+b^2\)
\(=2(a^2+ab+b^2)\)
(右辺)
\(=-2\{b(-a-b)+(-a-b)a+ab\}\)
\(=-2(-ab-b^2-a^2-ab+ab)\)
\(=-2(-a^2-ab-b^2)\)
\(=2(a^2+ab+b^2)\)
よって、(左辺)=(右辺) より、等式は証明された。
(別解)
\(a+b+c=0\)を次の3つの式に変形する。
すると左辺の各項がそれぞれ1文字で表される。
\(-a=b+c\), \(-b=c+a\), \(-c=a+b\)
(左辺)ー(右辺)
\(=(-a)^2+(-b)^2+(-c)^2\)\(+2(bc+ca+ab)\)
\(=a^2+b^2+c^2+2(ab+bc+ca)\)
\(=(a+b+c)^2\)
\(=0\)
(例題2)
\(x^2-yz=2\)・・・①, \(y^2-zx=2\)・・・②, \(x≠y\) のとき、\(z^2-xy=2\)であることを証明せよ。
そこで3つ目の条件\(x≠y\)をうまく使おうと考えます。条件式を辺々引くと\(x-y\)でくくれそうです。
(解答)
①ー②より
\(x^2-y^2-yz+zx=0\)
\((x-y)(x+y)+z(x-y)=0\)
\((x-y)(x+y+z)=0\)
\(x≠y\) なので \(x+y+z=0\)・・・③
何個か解法を紹介します。
(解法1)①+②を用いる方法
③から \(-z=x+y\)
①+②より
\(x^2+y^2-yz-zx=4\)
\((x+y)^2-2xy-z(x+y)=4\)
\(z^2-2xy+z^2=4\)
\(2(z^2-xy)=4\)
よって、\(z^2-xy=2\)
(解法2)\(z=-(x+y)\)を代入する方法
③から \(z=-(x+y)\)
よって
(左辺)
\(=z^2-xy\)
\(=(-x-y)^2-xy\)
\(=x^2+xy+y^2\)
ここで①より \(x^2=yz+2\) だから
\(x^2+xy+y^2\)
\(=yz+2+xy+y^2\)
\(=y(x+z)+y^2+2\)
\(=-y^2+y^2+2\) (③より\(x+z=-y\))
\(=2\)
(解法3) \(2\)を \(2=x^2-yz\)とする方法
①より \(2=x^2-yz\) なので
(左辺)ー(右辺)
\(=(z^2-xy)-2\)
\(=z^2-xy-(x^2-yz)\)
\(=z^2-x^2+y(z-x)\)
\(=(z-x)(x+y+z)\)
\(=0\) (③\(x+y+z=0\)より)
(例題3)
\(a,b,c\)が、\(a+b+c=-1\), \(ab+bc+ca=-1\) を満たすとき、次の等式が成り立つことを示せ。ただし \(a≠-1\),\(b≠-1\),\(c≠-1\) とする。
\(\displaystyle\frac{1}{a+1}+\displaystyle\frac{1}{b+1}+\displaystyle\frac{1}{c+1}\)\(=0\)
基本対称式、\(a+b+c\), \(ab+bc+ca\), \(abc\)(本問では使わない)
を使って表すことを考えます。
(解答)
通分して
(左辺)
\(=\displaystyle\frac{(b+1)(c+1)+(c+1)(a+1)+(a+1)(b+1)}{(a+1)(b+1)(c+1)}\)
(分子)
\(=(bc+b+c+1)\)\(+(ca+c+a+1)\)\(+(ab+a+b+1)\)
\(=(ab+bc+ca)+2(a+b+c)+3\)
\(=-1+2(-1)+3\)
\(=0\)
よって示された。
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。