2次の方程式の表す図形

\(x,y\)の2次の方程式 \(x^2+y^2+lx+my+n=0\) がどのような図形を表すかについて考えていきます。

 

・\(x^2+y^2+lx+my+n=0\)・・・① が表す図形
円の方程式 \((x-a)^2+(y-b)^2=r^2\) を展開することで、①の形の方程式が得られたので、\(x^2+y^2+lx+my+n=0\)が与えられた場合には\(x,y\)について平方完成することでどのような図形を表すかを調べることができます。

\(x^2+y^2+lx+my+n=0\) を平方完成すると
\((x+\displaystyle\frac{l}{2})^2+(y+\displaystyle\frac{m}{2})^2\)\(-\displaystyle\frac{l^2}{4}-\displaystyle\frac{m^2}{4}+n\)\(=0\)

よって
\((x+\displaystyle\frac{l}{2})^2+(y+\displaystyle\frac{m}{2})^2\)\(=\displaystyle\frac{l^2+m^2-4n}{4}\) ・・・②

 

したがって
(1)\(l^2+m^2-4n>0\) のとき、②の右辺は正の値なので、方程式②は
中心\((-\displaystyle\frac{l}{2},-\displaystyle\frac{m}{2})\) 半径\(\sqrt{\displaystyle\frac{l^2+m^2-4n}{4}}\)の円を表します。

(2)\(l^2+m^2-4n=0\) のとき、②の左辺が\(0\)となる\(x,y\)は、座標平面上では点(\(-\displaystyle\frac{l}{2},-\displaystyle\frac{m}{2})\) のみなので、方程式②は1点を表します。

(3)\(l^2+m^2-4n<0\) のとき、②の左辺は\(0\)以上の値だから負の値になる\(x,y\)は存在せず、座標平面上のどの点も表しません。(表す図形なし)

 

 

(2)は、円の半径をどんどん小さくしていき、半径\(0\)になったときに1点(中心)のみを表すと考えることもできます。
なお一般論を説明しましたが、実際に問題を解く際には同じように平方完成してみてどんな図形を描くか調べてみてください。

 

 

 

(例題)
(1)方程式 \(x^2+y^2-2y-3=0\) はどんな図形を表すか。
(2)\(x,y\)の方程式 \(x^2+y^2+6ax-2ay+28a+6=0\) (\(a>0\)) が円を表すとき、定数\(a\)の値の範囲を求めよ。

 

 

平方完成します。

(解答)
(1)
\(x^2+(y-1)^2-1-3=0\) より
\(x^2+(y-1)^2=4\)

よって 中心\((0,1)\),半径\(2\) の円

 

(2)
\(x^2+y^2+6ax-2ay+28a+6=0\) (\(a>0\))  より
\((x+3a)^2+(y-a)^2-9a^2-a^2\)\(+28a+6=0\)
\((x+3a)^2+(y-a)^2\)\(=10a^2-28a-6\)

円を表すには、右辺が正の値であればよいので
\(10a^2-28a-6>0\)
\(5a^2-14a-3>0\)
\((5a+1)(a-3)>0\)

\(a>0\)より  \(a>3\)

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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