対数と指数

指数と対数が混ざった式に関する問題について見ていきます。

 

(例題1)
\((\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}})^{3\log_{2}5}\) の値を求めよ。

 

 

(解答1)

指数の部分に対数があって分かりにくいので、\(t=(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}})^{3\log_{2}5}\) とおいて両辺対数をとります。底は指数部分の対数の底2です。

\(t=(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}})^{3\log_{2}5}\) とおいて、両辺底\(2\)の対数をとると

\(\log_{2}t\)\(=\log_{2}(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}})^{3\log_{2}5}\)

\(=(3\log_{2}5)(\log_{2}\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}})\)

\(=-\displaystyle\frac{3}{2}\log_{2}5\)

\(=\log_{2}5^{-\frac{3}{2}}\)

よって最初と最後の真数を比べて
\(t=5^{-\frac{3}{2}}\)\(=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{5^3}}\)\(=\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{25}\)

 

(解答2)

(対数の性質2)
\(a^{\log_{a}M}=M\)
を利用しても解くことができます。(この式は対数と指数の底がどちらも\(a\)で共通していることがポイントです。)

\((\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}})^{3\log_{2}5}\)

\(=2^{-\frac{3}{2}\log_{2}5}\)

\(=2^{\log_{2}5^{-\frac{3}{2}}}\)

\(=5^{-\frac{3}{2}}\)

\(=\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{25}\)

 

 

(例題2)
\(0\)でない実数 \(x,y,z\) が \(2^x=5^y=10^{\frac{z}{2}}\)
を満たすとき、\(\displaystyle\frac{1}{x}+\displaystyle\frac{1}{y}-\displaystyle\frac{2}{z}\) の値を求めよ。

 

 

指数のほうの条件式を、\(\displaystyle\frac{1}{x}+\displaystyle\frac{1}{y}-\displaystyle\frac{2}{z}\) に使えるようにするために、対数をとります。対数をとることで指数を前にほうにもってこれるため、代入が可能になります。なお底をいくつにするかですが、\(2,5,10\) のどれでもOKです。

(解答)
\(2^x=5^y=10^{\frac{z}{2}}\) の辺々 底\(2\) とする対数をとると

\(x=y\log_{2}5=\displaystyle\frac{z}{2}\log_{2}10\)・・・①

①式より2文字消去です。\(y=(xの式)\), \(z=(xの式)\) にします。

①より
\(y=\displaystyle\frac{x}{\log_{2}5}\)・・・②
\(z=\displaystyle\frac{2x}{\log_{2}10}\)・・・③

②③より
\(\displaystyle\frac{1}{x}+\displaystyle\frac{1}{y}-\displaystyle\frac{2}{z}\)

\(=\displaystyle\frac{1}{x}+\displaystyle\frac{\log_{2}5}{x}-\displaystyle\frac{2\log_{2}10}{2x}\)

\(=\displaystyle\frac{1}{x}(1+\log_{2}5-\log_{2}10)\)

\(=\displaystyle\frac{1}{x}\{1+\log_{2}5-(\log_{2}2+\log_{2}5)\}\)

\(=0\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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