関数の決定・関数方程式

微分に関する関数(整式)を決定する問題について見ていきます。

 

(例題1)
\(f(x)\) は3次の整式で、\(x^3\) の係数が\(1\)
\(f(1)=2\), \(f(-1)=-2\), \(f'(-1)=0\)
である。このとき、\(f(x)\)を求めよ。

 

 

\(f(x)\) は\(x^3\)の係数が\(1\)の3次の整式なので、
\(f(x)=x^3+ax^2+bx+c\) とおけます。あとは条件から\(a,b,c\)を決定していきます。

(解答)
\(f(x)=x^3+ax^2+bx+c\) とおくと
\(f'(x)=3x^2+2ax+b\) より

\(f(1)=1+a+b+c=2\)・・・①
\(f(-1)=-1+a-b+c=-2\)・・・②
\(f(-1)=3-2a+b=0\)・・・③

①②③より\(a,b,c\)を求めると
\(a=2\), \(b=1\), \(c=-2\)

したがって
\(f(x)=x^3+2x^2+x-2\)

 

 

 

(例題2)
\(f(x)\)は\(x\)の3次以下の整式で表される関数で、次の条件(A)(B)をともに満たしている。

(A)\(x\)の最高次の項の係数と定数項が等しい
(B)\(3f(x)-xf'(x)=x^2-4x+3\)

このとき、\(f(x)\)を求めよ。

 

例題1と同様に、\(f(x)=ax^3+bx^2+cx+d\) とおきます。(3次以下なので\(a=0\)の可能性もあるので、条件(A)はあとで考える)。なお(B)は\(x\)についての恒等式です。

(解答)
\(f(x)=ax^3+bx^2+cx+d\) とおくと、(B)より

\(3(ax^3+bx^2+cx+d)-x(3ax^2+2bx+c)\)
\(=x^2-4x+3\)

つまり
\(bx^2+2cx+3d=x^2-4x+3\)

係数比較して
\(b=1\), \(c=-2\), \(d=1\)

\(b,c,d\)は決定できて、\(f(x)\)が2次以上ということが分かりました。
あとは条件(A)について検討するために、最高次が2次か3次で場合分けします。

ここで \(a=0\) とすると
\(f(x)=x^2-2x+1\) となり、最高次の係数と定数項が同じで(A)に適する。

また、\(a≠0\) とすると
\(f(x)=ax^3+x^2-2x+1\) となり、(A)より \(a=1\) となる。

したがって
\(f(x)=x^2-2x+1\)
または
\(f(x)=x^3+x^2-2x+1\)

 

 

 

(例題3)
すべての実数\(x\)に対して、等式 \(xf'(x)=f(x)\) を満たす整式\(f(x)\)をすべて求めよ。ただし、\(f'(x)\)は\(f(x)\)の導関数である。

 

 

 

例題2と違って次数が分かりませんが、整式であることは分かっているので、\(f(x)\)の最高次の項を \(ax^n\) とおいて次数の決定からしていきます。最高次の項としているので、\(a≠0\) です。ただこれだと、\(f(x)=0\) (定数関数で恒等的に\(0\)) の場合のみ表されていないので、こちらも忘れないようにします。

(解答)
\(f(x)\) の最高次の項を \(ax^n\) (\(n\)は\(0\)以上の整数、\(a≠0\)) とおくと

\(xf'(x)=f(x)\) において

左辺の最高次の項(\(n\)次の項)は
\(x\cdot nax^{n-1}=nax^{n}\)

したがって両辺の最高次の項の係数について
\(na=a\)
\(a(n-1)=0\)

ここで、\(a≠0\) としていることで、\(n=1\) と決定できます。もし\(a≠0\) を仮定していないと、\(n=1\) or \(a=0\) となるので、\(a=0\)のときの \(n\)が決定できません。

 

\(a≠0\) だから
\(n=1\)

\(f(x)\)が1次式であることが分かったので、\(f(x)=ax+b\) として係数を決定していきます。

ゆえに、\(f(x)=ax+b\) (\(a≠0\)) とおけて

\(xf'(x)=f(x)\) より
\(ax=ax+b\)

よって \(b=0\) より
\(f(x)=ax\) (\(a\)は\(0\)以外の任意の定数)

また、\(f(x)=0\) も条件を満たす。

以上から
\(f(x)=ax\) (\(a\)は任意の定数)

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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