既約分数の和

分数でできた数列の和について見ていきます。

 

(例題)
\(m,n\)は自然数で、\(m<n\) とする。\(m\)と\(n\)の間にあって\(5\)を分母とするすべての有理数のうち、整数にならないものの総和を求めよ。

 

 

\(m<\displaystyle\frac{k}{5}<n\) より、\(5m<k<5n\)。よって全体の有理数を考えると、\(k=5m+1,5m+2,\cdots,5n-2,5n-1\) が分子になりうる自然数です。このうち整数になるものを除けばよいですが、分母が\(5\)なので \(k=5m+5,5m+10,\cdots,5n-10,5n-5\) のときが整数となるときです。なお、分母\(5\)は素数なので、整数にならないものはすべて既約分数(これ以上約分できない分数)になります。
具体例を挙げると、\(m=2\), \(n=4\) とすると \(10<k<20\) なので数列は
\(\displaystyle\frac{11}{5},\displaystyle\frac{12}{5},\displaystyle\frac{13}{5},\displaystyle\frac{14}{5},\displaystyle\frac{15}{5},\displaystyle\frac{16}{5},\displaystyle\frac{17}{5},\displaystyle\frac{18}{5},\displaystyle\frac{19}{5}\)
となり、\(\displaystyle\frac{15}{5}\) が整数で、残りは既約分数です。

(解答)
\(m<\displaystyle\frac{k}{5}<n\) (\(k\)は自然数) とすると
\(5m<k<5n\)

よって\(5\)を分母とする有理数をすべて並べると
\(\displaystyle\frac{5m+1}{5},\displaystyle\frac{5m+2}{5},\cdots,\displaystyle\frac{5n-2}{5},\displaystyle\frac{5n-1}{5}\)・・・①

これらの和\(S_1\)は分子について、初項\(5m+1\)、末項\(5n-1\)、
項数\((5n-1)-(5m+1)+1=5n-5m-1\)の等差数列だから

\(S_1=\displaystyle\frac{1}{5}\cdot\displaystyle\frac{1}{2}(5n-5m-1)(5m+1+5n-1)\)

\(=\displaystyle\frac{1}{2}(5n-5m-1)(m+n)\)

また①のうち整数となるのは
\(\displaystyle\frac{5m+5}{5},\displaystyle\frac{5m+10}{5},\cdots,\displaystyle\frac{5n-10}{5},\displaystyle\frac{5n-5}{5}\)

つまり
\(m+1,m+2,\cdots,n-2,n-1\)

これらの和\(S_2\)は、項数が \((n-1)-(m+1)+1=n-m-1\) より
(\(n-m=1\) のときは整数となるものはないが、項数\(=0\)となるので含めることができる)

\(S_2=\displaystyle\frac{1}{2}(n-m-1)(m+1+n-1)\)

\(=\displaystyle\frac{1}{2}(n-m-1)(m+n)\)

したがって求める和は
\(S_1-S_2\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}(5n-5m-1)(m+n)-\displaystyle\frac{1}{2}(n-m-1)(m+n)\)

\(=\displaystyle\frac{1}{2}(m+n)\{(5n-5m-1)-(n-m-1)\}\)

\(=2(m+n)(n-m)\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
next→方程式の解と等差数列 back→等差数列の和の最大値

タイトルとURLをコピーしました