群数列②

群数列の例題です。

 

(例題1)
自然数\(p,q\)の組 \((p,q)\) を
(A)\(p+q\) の値の小さい組から大きい組へ
(B)\(p+q\) の値の同じ組では、\(p\)の値が大きい組から小さい組へ
という規則に従って、次のように1列に並べる。
\((1,1),(2,1),(1,2),(3,1),(2,2),(1,3),\cdots\)

(1)組\((m,n)\)は、初めから何番目にあるか。
(2)初めから\(100\)番目にある組を求めよ。

 

 

群数列② 例題1-1
和\(p+q\)が同じであるものを群として分けます。すると
(i)\(k\)群では \(p+q-1=k\) (1つずれていることに注意)
(ii)\(k\)群の項数は\(k\)項
という規則になっています。(B)は左側の数字\(p\)が大きい順に並んでいるということですが、逆にいうと右側の数字\(q\)が小さい順に並んでいるということです。

(解答)
(1)

組\((m,n)\)は、\(m+n-1\)群にあります。また右側の数字が\(q=n\) なので、この群の\(n\)番目です。(具体例だと、\((1,3)\) は 第\(1+3-1\)群の第\(3\)項)

群数列② 例題1-2

組\((m,n)\)は、第\(m+n-1\)群の第\(n\)項。
\(k\)群には\(k\)個の項があるから、(第\(m+n-2\)群までの項数)\(+n\)を考えて

\(\{1+2+\cdots+(m+n-2)\}+n\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}(m+n-2)(m+n-1)+n\)

したがって
\(\displaystyle\frac{1}{2}(m+n-2)(m+n-1)+n\) 番目

 

(2)

まずは初めから\(100\)番目が何群にあるかを調べます。今回の不等式は両側で挟む方針で行きたいと思います。

初めから\(100\)番目が第\(k\)群にあるとすると、第\(i\)群には\(i\)個の項があるから

\(1+2+\cdots+(k-1)<100≦1+2+\cdots+k\)

\(\displaystyle\frac{1}{2}(k-1)k<100≦\displaystyle\frac{1}{2}k(k+1)\)

この不等式を満たす自然数\(k\)は \(k=14\) だから、第\(14\)群にある。

最初から第\(13\)群までの最後までの項数は
\(\displaystyle\frac{1}{2}\cdot13\cdot14=91\)
だから、\(100\)番目は第\(14\)群の第\(9\)項

よって組\((p,q)\) において、\(q=9\) であり、\(p+q-1=14\) より
\(p=6\)

したがって\(100\)番目は
\((6,9)\)

 

 

 

(例題2)
図のように並んだ数がある。いま、そこから数字を
\((1),(2,3),(4,6,5),(8,12,10,7),(16,24,20,14,9),\cdots\)
のように斜めにとり出し、これらを順に第\(1\)群、第\(2\)群、第\(3\)群、・・・と呼ぶことにする。
群数列② 例題2-1
(1)第\(n\)群の中の第\(k\)項を求めよ。
(2)第\(n\)群中にある\(n\)個の数の和を求めよ。

 

まずは規則性を発見しましょう。
群数列自体の規則性が見つけにくいので、全体の数字の並びの法則を探します。
すると縦方向が等比数列、横方向が等差数列になっていることに気づきます。
これらのことを利用するのですが、解答では縦方向の等比数列に着目していきます。

(解答)
(1)

群数列② 例題2-2
縦方向の等比数列に着目すると、第\(n\)群の初項は\(2^{n-1}\)です。第2項は図で右斜め上(上に1つ、右に1つ移動)なので、指数は1つ減り、係数は1→3 と2つ増えます。第3項は指数がさらに1つ減り、係数は3→5 と2つ増え・・・と繰り返しです。

第\(n\)群の初項は\(2^{n-1}\)。第\(n\)群において項が1つ増えると\(2\)の指数は1つ減り、係数は2つ増えるので、項を並べて書くと
\(2^{n-1},\ 3\cdot2^{n-2},\ 5\cdot2^{n-3},\ 7\cdot2^{n-4},\cdots\)

したがって第\(n\)群の第\(k\)項は
\((2k-1)2^{n-k}\)

 

(2)

(1)で求めた 一般項 \(a_k=(2k-1)2^{n-k}\) の数列の和です。\(k\)を \(k=1,2,\cdots,n\) と変化させて和をとるので、\(n\)は定数であることに注意すると、これは (等差)×(等比) の形になっています。よって公比倍の差をとることになりますが、公比は指数が減っていくので \(\displaystyle\frac{1}{2}\) です。

求める和を\(S\)とすれば(1)より

\(\hspace{5pt}S=1\cdot2^{n-1}+3\cdot2^{n-2}+5\cdot2^{n-3}+\cdots+(2n-1)2^{0}\)
\(\displaystyle\frac{S}{2}=\hspace{45pt}1\cdot2^{n-2}+3\cdot2^{n-3}+\cdots+(2n-3)2^{0}+(2n-1)2^{-1}\)

\(S-\displaystyle\frac{S}{2}\) より

\(\displaystyle\frac{S}{2}=2^{n-1}+2\cdot2^{n-2}+2\cdot2^{n-3}+\cdots+2\cdot2^{0}-(2n-1)\cdot\displaystyle\frac{1}{2}\)

両辺\(2\)倍して
\(S=2^{n}+4(2^{n-2}+2^{n-3}+\cdots+2^{0})-(2n-1)\)

(括弧内は反対から見て 初項\(1\)、公比\(2\)、項数\(n-1\) の等比数列の和だから)

\(=2^{n}+4\cdot\displaystyle\frac{2^{n-1}-1}{2-1}-2n+1\)

\(=2^{n}+4\cdot2^{n-1}-4-2n+1\)

(\(4\cdot2^{n-1}=2\cdot2^{n}\) より)

\(=3\cdot2^{n}-2n-3\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
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