問題に入る前に正弦定理について軽くおさらいします。
・正弦定理
三角形\(ABC\)において次の正弦定理が成り立ちます。
\(△ABC\)において、その外接円の半径を\(R\)とすると
\(\displaystyle\frac{a}{\sin A}=\displaystyle\frac{b}{\sin B}=\displaystyle\frac{c}{\sin C}=2R\)
\(\displaystyle\frac{a}{\sin A}=\displaystyle\frac{b}{\sin B}=\displaystyle\frac{c}{\sin C}=2R\)
また
\(\displaystyle\frac{a}{\sin A}=2R\) より \(a=2R\sin A\)
\(\displaystyle\frac{b}{\sin B}=2R\) より \(b=2R\sin B\)
\(\displaystyle\frac{c}{\sin C}=2R\) より \(c=2R\sin C\)
\(\displaystyle\frac{a}{\sin A}=2R\) より \(a=2R\sin A\)
\(\displaystyle\frac{b}{\sin B}=2R\) より \(b=2R\sin B\)
\(\displaystyle\frac{c}{\sin C}=2R\) より \(c=2R\sin C\)
したがって、\(a:b:c=2R\sin A:2R\sin B:2R\sin C=\sin A:\sin B:\sin C\)
ゆえに、3辺の長さの比と正弦の値の比が一致することが分かります。
\(△ABC\)において
\(a:b:c=\sin A:\sin B:\sin C\)
例題を見ていきます。
(例題1)
三角形\(ABC\)において \(\sin A:\sin B:\sin C=3:5:7\) とするとき、
比 \(\cos A:\cos B:\cos C\) を求めよ。
三角形\(ABC\)において \(\sin A:\sin B:\sin C=3:5:7\) とするとき、
比 \(\cos A:\cos B:\cos C\) を求めよ。
\(a:b:c=3:5:7\) です。どれか1つ文字で置けば他の辺もその文字で表すことができます。きれいな値になるように、\(a=3k\)とおいて他の辺とあわせて\(\cos\)をそれぞれ求めましょう。\(a=k\)などと置いても解けないことはないですが、他の辺の値に分数がでてきます。
(解答)
正弦定理
\(\displaystyle\frac{a}{\sin A}=\displaystyle\frac{b}{\sin B}=\displaystyle\frac{c}{\sin C}\)
より、\(a:b:c=\sin A:\sin B:\sin C\)
よって \(a=3k\) (\(k>0\))とおくと、\(b=5k,c=7k\) となる。
正弦定理
\(\displaystyle\frac{a}{\sin A}=\displaystyle\frac{b}{\sin B}=\displaystyle\frac{c}{\sin C}\)
より、\(a:b:c=\sin A:\sin B:\sin C\)
よって \(a=3k\) (\(k>0\))とおくと、\(b=5k,c=7k\) となる。
\(\cos A=\displaystyle\frac{25k^2+49k^2-9k^2}{2・5k・7k}=\displaystyle\frac{65k^2}{70k^2}=\displaystyle\frac{13}{14}\)
\(\cos B=\displaystyle\frac{49k^2+9k^2-25k^2}{2・7k・3k}=\displaystyle\frac{33k^2}{42k^2}=\displaystyle\frac{11}{14}\)
\(\cos C=\displaystyle\frac{9k^2+25k^2-49k^2}{2・3k・5k}=-\displaystyle\frac{15k^2}{30k^2}=-\displaystyle\frac{1}{2}\)
したがって、\(\cos A:\cos B:\cos C=\displaystyle\frac{13}{14}:\displaystyle\frac{11}{14}:(-\displaystyle\frac{1}{2})=\)\(13:11:-7\)
(例題2)
\(△ABC\)において、\(3\sin A=4\sin B=6\sin C\) のとき、\(\sin B\) を求めよ。
\(△ABC\)において、\(3\sin A=4\sin B=6\sin C\) のとき、\(\sin B\) を求めよ。
\(a:b:c\)を求める為に、\(\sin A:\sin B:\sin C\)を求めます。
色々方法はありますが、(与式の等式)\(=k\) と置く方法でやってみます。
\(=k\) と置くことは比例式の問題のよくある解法です。
色々方法はありますが、(与式の等式)\(=k\) と置く方法でやってみます。
\(=k\) と置くことは比例式の問題のよくある解法です。
(解答)
\(3\sin A=4\sin B=6\sin C=k\) (\(k>0\))とおくと
\(\sin A=\displaystyle\frac{k}{3}\) \(\sin B=\displaystyle\frac{k}{4}\) \(\sin C=\displaystyle\frac{k}{6}\)
よって \(\sin A:\sin B:\sin C=\displaystyle\frac{k}{3}:\displaystyle\frac{k}{4}:\displaystyle\frac{k}{6}=4:3:2\)
\(3\sin A=4\sin B=6\sin C=k\) (\(k>0\))とおくと
\(\sin A=\displaystyle\frac{k}{3}\) \(\sin B=\displaystyle\frac{k}{4}\) \(\sin C=\displaystyle\frac{k}{6}\)
よって \(\sin A:\sin B:\sin C=\displaystyle\frac{k}{3}:\displaystyle\frac{k}{4}:\displaystyle\frac{k}{6}=4:3:2\)
したがって正弦定理により、\(a:b:c=4:3:2\)となるので \(m>0\) として
\(a=4m,b=3m,c=2m\) とおける。
\(a=4m,b=3m,c=2m\) とおける。
余弦定理により
\(\cos B=\displaystyle\frac{4m^2+16m^2-9m^2}{2・2m・4m}=\displaystyle\frac{11}{16}\)
\(\cos B=\displaystyle\frac{4m^2+16m^2-9m^2}{2・2m・4m}=\displaystyle\frac{11}{16}\)
\(0°<B<180°\) から \(\sin B>0\) であり
\(\sin B=\sqrt{1-(\displaystyle\frac{11}{16})^2}=\sqrt{\displaystyle\frac{135}{16^2}}=\)\(\displaystyle\frac{3\sqrt{15}}{16}\)
\(\sin B=\sqrt{1-(\displaystyle\frac{11}{16})^2}=\sqrt{\displaystyle\frac{135}{16^2}}=\)\(\displaystyle\frac{3\sqrt{15}}{16}\)
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。