高次方程式と重解に関する問題について見ていきます。
(例題1)
3次方程式 \(x^3+(2a-1)x^2-3(a-2)x+a-6=0\) は、\(a\)がどんな値でも \(x=\)(ア)を解とする。この方程式がちょうど2つの異なる解をもつような\(a\)の値は全部で (イ) 個ある。
(解答)
(ア)について
方程式を\(a\)について整理すると
\((2x^2-3x+1)a+x^3-x^2+6x-6\)\(=0\)
\((2x-1)(x-1)a+x^2(x-1)+6(x-1)\)\(=0\)
\((x-1)(2ax-a+x^2+6)\)\(=0\)
\((x-1)(x^2+2ax-a+6)\)\(=0\)
したがって\(x=1\)は\(a\)の値にかかわず解となる。
(ア)\(x=\)\(1\)
(イ)について
①\(x^2+2ax-a+6\)\(=0\) が重解をもつ (ただし重解が\(x=1\)でない)
②\(x^2+2ax-a+6\)\(=0\) が\(x=1\)を解にもつ(ただし重解ではない)
ただし書きの部分が要るわけは
①のとき もし\(x=1\)が重解だと、方程式が\(x=1\)のみを解にもつことになり(3重解)
②のときも同様に\(x=1\)のみが解となってしまうからです。
ちょうど2つの異なる解をもつときは次の場合が考えられる。
①\(x^2+2ax-a+6\)\(=0\) が重解をもつ (ただし重解が\(x=1\)でない)
②\(x^2+2ax-a+6\)\(=0\) が\(x=1\)を解にもつ(ただし重解ではない)
①について 判別式を\(D\)とすると
\(\displaystyle\frac{D}{4}=0\)
\(a^2-(-a+6)=0\)
\(a^2+a-6=0\)
\((a+3)(a-2)=0\) より
\(a=-3,2\)
このとき重解は \(x=-a\) で \(x=1\)とはならないため適する。
②について \(x=1\)を代入すると
\(1+2a-a+6\)\(=0\)
よって \(a=-7\)
このとき ①より\(D≠0\)であり \(x=1\)は重解ではないため適する。
以上より ちょうど2つの異なる解をもつような\(a\)は \(a=-3,2,-7\) なので
(イ)3(個)
(例題2)
\(m,n\)を定数とする。4次方程式 \(x(x-1)(x-2)(x-4)\)\(=mx+n\) が2つの異なる重解をもつとき、\(m,n\)の値および解を求めよ。
(左辺)\(=(x-α)^2(x-β)^2\) と表すことができます。
(解答)
4次方程式の異なる2解を\(α,β\) (\(α≠β\))とすると
\(x(x-1)(x-2)(x-4)-(mx+n)\)\(=(x-α)^2(x-β)^2\)
が成り立つ。(右辺)\(=\{x^2-(α+β)x+αβ\}^2\) として両辺展開して整理すると
\(x^4-7x^3+14x^2+(-m-8)x-n\)
\(=x^4-2(α+β)x^3\)\(+\{(α+β)^2+2αβ\}x^2\)\(-2αβ(α+β)x\)\(+α^2β^2\)
係数を比較すると
\(-7=-2(α+β)\)・・・(1)
\(14=(α+β)^2+2αβ\)・・・(2)
\(-m-8=-2αβ(α+β)\)・・・(3)
\(-n=α^2β^2\)・・・(4)
(1)より \(α+β=\displaystyle\frac{7}{2}\)
(2)に代入して \(αβ=\displaystyle\frac{7}{8}\)
よって \(α,β\)は \(t^2-\displaystyle\frac{7}{2}t+\displaystyle\frac{7}{8}=0\) の解であるからこれを解いて
\(t=\displaystyle\frac{7±\sqrt{35}}{4}\) (\(α≠β\)を満たす)
また(3)より
\(m\)\(=-8+2αβ(α+β)=-8+2・\displaystyle\frac{7}{8}・\displaystyle\frac{7}{2}\)\(=\)\(-\displaystyle\frac{15}{8}\)
(4)より
\(n\)\(=-(αβ)^2\)\(=-\displaystyle\frac{49}{64}\)
答え
\(m=-\displaystyle\frac{15}{8}\), \(n=-\displaystyle\frac{49}{64}\) 解: \(x=\displaystyle\frac{7±\sqrt{35}}{4}\)
以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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