係数決定(極値)

極値に関する関数の係数決定の問題について見ていきます。

 

(例題1)
関数 \(f(x)=x^3+ax^2+bx+c\) は \(f(-3)=0\) となる。また、\(x=-1\) のとき、極大か極小となり、そのときの極値は\(32\)である。このとき、\(a,b,c\)の値を求めよ。

 

 

微分した式について、\(f'(x)=0\) を 満たす\(x\) が極値をとるときの値の候補です。ただしこれは必要条件なので、その\(x\)の前後で符号が変わっているか(ちゃんと極値をとっているか)確認が必要です。

(解答)
\(f(x)=x^3+ax^2+bx+c\) において

\(f(-3)=0\) より
\(-27+9a-3b+c=0\)・・・①

また、\(x=-1\) で 極値\(32\)となるから
\(f(-1)=32\)
\(-1+a-b+c=32\)・・・②

\(f'(x)=3x^2+2ax+b\) より
\(3x^2+2ax+b=0\) の解が \(x=-1\) だから
\(3-2a+b=0\)・・・③

①~③より
\(a=-3\), \(b=-9\) \(c=27\)

(以下極値をとるか確認作業)

逆に
\(f(x)=x^3-3x^2-9x+27\) のとき

\(f'(x)=3x^2-6x-9\)
\(=3(x+1)(x-3)\)

だから増減表より条件を満たす。

極値 係数決定 例題1

答 \(a=-3\), \(b=-9\) \(c=27\)

 

導関数 \(f'(x)=3x^2-6x-9\) において
\(f'(x)=0\) が異なる2つの実数解をもち、解 \(x=-1\) の前後で符号が変わるという考えでもOKです。
極値 係数決定 符号変化

 

 

(例題2)
\(f(x)=x^3+ax^2+(a-1)x\) とする。
\(f(x)\) の極大値が\(0\)のとき、\(a\)の値を求めよ。

 

 

(解答)
\(f(x)=x^3+ax^2+(a-1)x\) において

\(f'(x)=3x^2+2ax+(a-1)\)

\(f'(x)\) はキレイに因数分解できないので、極値をとるときの値を \(x=k\) とでもおいて、条件式を立てます。

極大値\(0\)をとるときの値を \(x=k\) とすると

\(f(k)=k^3+ak^2+(a-1)k=0\)・・・①
\(f'(k)=3k^2+2ak+(a-1)=0\)・・・②

①②より\(a,k\)の値を求めることになります(連立方程式)。①の左辺が\(k\)でくくれることに気づくと早いです。
\(x=k\)で極値をとるので、符号の変化はもちろんとして、正から負に変化していることも確認が必要です。

①より
\(k(k^2+ak+a-1)=0\) だから

\(k=0\) または \(k^2+ak+a-1=0\)

(1)\(k=0\) のとき

②より
\(a-1=0\) だから \(a=1\)
このとき
\(f'(x)=3x^2+2x=x(3x+2)\)
よって
\(x=k=0\) 前後で、\(f'(x)\)の符号が負から正に変わり、極小値となるので不適。

(増減表を書いてもよいです)

(2)\(k^2+ak+a-1=0\)・・・③ のとき

②-3×③より (\(k^2\)を消去する方針)
\(-ak-2(a-1)=0\)
\((k+2)a=2\)・・・④
\(k=-2\) とすると、④を満たさないので、\(k≠-2\)
よって
\(a=\displaystyle\frac{2}{k+2}\)・・・⑤

⑤を③に代入して
\(k^2+\displaystyle\frac{2k}{k+2}+\displaystyle\frac{2}{k+2}-1=0\)
整理して
\(\displaystyle\frac{k(k+1)^2}{k+2}=0\)

(1)より \(k≠0\) だから
\(k=-1\)
⑤より
\(a=2\)

このとき、
\(f'(x)=3x^2+4x+1=(3x+1)(x+1)\)
となるので、\(x=k=-1\) 前後で、\(f'(x)\) の符号が正から負に変わるので、\(x=k\)で極大値となる。

以上から
\(a=2\)

 

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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