極値と条件

引き続き極値をもつ(もたない)条件に関する例題です。

 

(例題1)
\(a\)を実数とする。関数
\(f(x)=ax+\cos x+\displaystyle\frac{1}{2}\sin2x\)
が極値をもたないように、\(a\)の値の範囲を定めよ。

 

導関数の符号が変わらないとき、極値をもちません。

(解答)
\(f'(x)=a-\sin x+\cos 2x\)
\(=a-(\sin x-\cos2x)\)

\(y=a\) と \(y=\sin x-\cos2x\) のグラフの位置関係を調べることになりますが、後者は周期をもつ関数になるので微分すると面倒になります。
そこで、\(y=\sin x-(1-2\sin^2x)\) と\(\sin\)に統一して、2次関数とみて最大・最小値を考えます。

ここで
\(g(x)=\sin x-\cos2x\)
\(=\sin x-(1-2\sin^2x)\)
\(=2\sin^2x+\sin x-1\)
\(=2(\sin x+\displaystyle\frac{1}{4})^2-\displaystyle\frac{9}{8}\)

となるから
\(f'(x)=a-\left\{2(\sin x+\displaystyle\frac{1}{4})^2-\displaystyle\frac{9}{8}\right\}\)

\(f'(x)\)が常に
\(f'(x)≧0\) または \(f'(x)≦0\)
であれば極値をもたない。

\(g(x)\)の
最大値は \(2\) (\(\sin x=1\) のとき)
最小値は \(-\displaystyle\frac{9}{8}\)

だから、求める\(a\)の値の範囲は
\(a≧2\) または \(a≦-\displaystyle\frac{9}{8}\)

\(a=2,-\displaystyle\frac{9}{8}\) のときは、\(f'(x)=0\) となる\(x\)が存在しますが、符号の入れかわりがないので極値をもちません。よって答えに入ります。

 

 

 

(例題2)
\(a,b,c\)は定数で、\(b>0\)、\(c>1\) とする。\(x>0\)で定義された関数
\(f(x)=ax^2-bx+2\log x\)
が、\(x=\displaystyle\frac{1}{c}\) と \(x=c\) で極値をとり、これらの極値の和が\(-\displaystyle\frac{33}{4}\) である。このとき、\(a,b,c\)の値を求めよ。

 

まずは導関数を求めていきます。

(解答)
\(f'(x)=2ax-b+\displaystyle\frac{2}{x}\)

\(=\displaystyle\frac{2ax^2-bx+2}{x}\)

分母の2次式の符号の変化、つまり2次方程式の解について考えます。

\(x=\displaystyle\frac{1}{c},c\) で極値をとるので

方程式
\(2ax^2-bx+2=0\)・・・①

の解が \(x=\displaystyle\frac{1}{c},c\) である。

\(c>1\) より \(\displaystyle\frac{1}{c}≠c\) だから、①を2次方程式としてよく
\(a≠0\)

よって解と係数の関係から
\(\displaystyle\frac{1}{c}+c=\displaystyle\frac{b}{2a}\)・・・②
\(\displaystyle\frac{1}{c}\cdot c=\displaystyle\frac{2}{2a}\)・・・③

③より \(a=1\)

また極値の和が\(-\displaystyle\frac{33}{4}\)だから
\(f(\displaystyle\frac{1}{c})+f(c)=-\displaystyle\frac{33}{4}\)

(左辺)
\(=(\displaystyle\frac{1}{c^2}-\displaystyle\frac{b}{c}+2\log\displaystyle\frac{1}{c})+(c^2-bc+2\log c)\)

\(=c^2+\displaystyle\frac{1}{c^2}-b(c+\displaystyle\frac{1}{c})\)

(②が使えるように変形する)

\(=(c+\displaystyle\frac{1}{c})^2-2-b(c+\displaystyle\frac{1}{c})\)

よって
\((c+\displaystyle\frac{1}{c})^2-2-b(c+\displaystyle\frac{1}{c})=-\displaystyle\frac{33}{4}\)・・・④

②を④に代入して
\((\displaystyle\frac{b}{2})^2-2-b\cdot\displaystyle\frac{b}{2}=-\displaystyle\frac{33}{4}\)
整理すると
\(b^2=25\)
\(b>0\) より
\(b=5\)

また②より
\(c+\displaystyle\frac{1}{c}=\displaystyle\frac{5}{2}\)
\(2c^2-5c+2=0\)
\((2c-1)(c-2)=0\)
\(c>1\) より
\(c=2\)

\(f'(x)\) の分子の2次方程式が異なる2解をもつので、ほとんど極値をもつことは明らかですが、一応最後に極値をもつかどうかの確認をしておきます。(\(f'(x)=0\) の検討しかしていないので、符号の変化を確かめる)

逆に \(a=1\)、\(b=5\)、\(c=2\) のとき

\(f'(x)=\displaystyle\frac{2x^2-5x+2}{x}\)

\(=\displaystyle\frac{(2x-1)(x-2)}{x}\)

より、\(x=\displaystyle\frac{1}{2},2\) で極値をとるので条件を満たす。

答 \(a=1\)、\(b=5\)、\(c=2\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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