曲線と曲線の距離

曲線と曲線の距離に関する例題です。

 

(例題)
平面上に2つの曲線
\(C:y=e^{2x}+1\)
\(D:y=-x^2+14x-49\)
がある。点\(P,Q\) がそれぞれ\(C\)上と\(D\)上を動くとき、線分\(PQ\)の長さの最小値を求めよ。

 

2文字を使って点\(P,Q\)を、\((s,e^{2s}+1)\)、\((t,-t^2+14t-49)\) とおいて、線分の長さを出して・・・とやると面倒です。そこで曲線\(C,D\)の凹凸に着目して、\(P,Q\)における接線を考えて、「2接線が平行 かつ 直線\(PQ\) が接線に垂直」・・・(※) になる場合を考えると、このときに線分\(PQ\)が最小になることが分かります。(接線を岸とする川を考えると、曲線は接点以外では川の外にあるので、最小値は川幅になる)
それと一応、2曲線が交わらないことの確認はしておきます。(交わるときには線分の長さの最小値は\(0\)になるが、\(P,Q\)が一致して※で考えられない)

曲線の距離 凹凸 例題1

曲線\(C\)は下に凸、曲線\(D\)は上に凸のグラフ。
また \(C:y=e^{2x}+1>0\)、\(D:y=-(x-7)^2≦0\) より、\(C,D\)は交わらない。

よって、点\(P,Q\)における接線の傾きが等しく、直線\(PQ\)がこれらの接線に垂直になるときがあれば、線分\(PQ\)の長さは最小となる。

\(f(x)=e^{2x}+1\)
\(g(x)=-x^2+14x-49\)

とおくと
\(f'(x)=2e^{2x}\)
\(g'(x)=-2x+14\)

\(P(p,f(p))\)、\(Q(q,g(q))\) とおくと、接線の傾きが等しいから
\(2e^{2p}=-2q+14\)
ゆえに
\(q=-e^{2p}+7\)・・・①

また、\(PQ\)と接線が垂直なので
\(\displaystyle\frac{f(p)-f(q)}{p-q}\cdot 2e^{2p}=-1\)・・・②
(図より、\(p=q\) とはならない)

①②から\(p,q\)のいずれかを消去することになります。①②が指数と整式が混ざった式になっているのでこの問題では最終的に、指数と整式(整式と対数) が混ざった式になります。今回は\(q\)を消去することで、前者の混ざった式で検討したいと思います。そのために②での接線の傾きを\(2e^{2p}\)にしています。

②より
\(\{e^{2p}+1+(q-7)^2\}\cdot2e^{2p}=-(p-q)\)

\(q=-e^{2p}+7\) を代入して
\(\{e^{2p}+1+e^{4p}\}\cdot2e^{2p}\)\(=-(p+e^{2p}-7)\)

整理すると
\(2e^{6p}+2e^{4p}+3e^{2p}+p-7=0\)・・・③

\(p\)の方程式③を解くことになりますが、指数と整式が混ざった式なので普通には解けません。
しかし色々\(p\)に代入することで、\(p=0\) が解であることは分かります。
最初の図から他に解はないことは分かりますが、一応他に解があるかどうかを確認しておきます。(左辺のグラフの単調増加性により解は1つしかない)

③は \(p=0\) を解にもつが、

\(h(p)=2e^{6p}+2e^{4p}+3e^{2p}+p-7\) とおくと
\(h'(p)=12e^{6p}+8e^{4p}+6e^{2p}+1>0\) より

\(h(p)\) は単調増加関数だから、他に解は存在しない。

①より、\(q=6\) となるから\(P,Q\)の座標は
\(P(0,2)\)、\(Q(6,-1)\)

したがって線分\(PQ\)の長さの最小値は
\(\sqrt{6^2+(-3)^2}\)

\(=3\sqrt{5}\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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