空間座標と空間図形

空間図形の問題では、ベクトルや空間座標を用いると解きやすいことが多いです。
今回はそのうち座標を用いて解く例題です。

 

(例題)
半径\(r\)の球面上に4点\(A,B,C,D\)がある。四面体\(ABCD\)の各辺の長さは、\(AB=\sqrt{3}\)、\(AC=AD=BC=BD=CD=2\) を満たしている。このとき\(r\)の値を求めよ。

 

以前扱った例題で、そのときは幾何を用いて解きました (→(7-12)対称性のある立体) 。今回は座標を用いて解いてみます。座標を用いると機械的に処理ができるところが良い点です。
座標を設定する場合には一般性を失わないように、計算が楽になるようにするのが基本です。最終的に外接球の半径\(r\)を求めたいので、正三角形を\(xy\)平面にのせることにします。そうすると、この正三角形の外心を通り\(z\)軸に平行な直線上に外接球の中心があるので最後の計算が楽になります。もちろん外接球の中心を\(N(x,y,z)\)とおいて、\(NA=NB=NC=ND(=r)\) から計算で求めてもOKです。

(解答)
空間座標 幾何1
(仲間外れの\(AB\)に着目して、\(B\)を\(y\)軸上にのせています。すると立体の対称性から\(x=0\)が予想できて、計算間違いの確認ができます)

一辺の長さ\(2\)の三角形\(BCD\)の面を、空間座標における\(xy\)平面にのせて
\(C(-1,0,0),\ D(1,0,0),\ B(0,\sqrt{3},0)\)
とする。\(A(x,y,z)\) とおくと条件より

\((x+1)^2+y^2+z^2=4\)・・・①
\((x-1)^2+y^2+z^2=4\)・・・②
\(x^2+(y-\sqrt{3})^2+z^2=3\)・・・③

①-②より
\(x=0\)
これと①-③より
\(y=\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}\)
さらに①より
\(z=±\displaystyle\frac{3}{2}\)

\(z<0\) の場合は\(xy\)平面について対称な立体ができるだけなので
\(A(0,\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2},\displaystyle\frac{3}{2})\)
だけ考えればよい。

外接球の中心\(N\)は、\(B,C,D\)から等距離にあるので、\(△BCD\)の外心を通り\(z\)軸に平行な直線上にある。\(△BCD\)は正三角形だから \(N(0,\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{3},z)\) とおけて、\(NA^2=NB^2\ (=r^2)\) より
\(0^2+(\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{3}-\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2})^2+(z-\displaystyle\frac{3}{2})^2=0^2+(\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{3}-\sqrt{3})^2+z^2\)
これを解くと \(z=\displaystyle\frac{1}{3}\) だから
\(r=\sqrt{(\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{3}-\sqrt{3})^2+(\displaystyle\frac{1}{3})^2}\)

\(=\displaystyle\frac{\sqrt{13}}{3}\)

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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