三角関数・対数関数の極限(数列)

三角関数・対数関数の極限について見ていきます。

三角関数・対数(指数)関数の極限は、関数の極限で扱うものがメインテーマになりますが(\(e\)への収束、\(\displaystyle\frac{\sinθ}{θ}\) の極限など)、今回は基本的な例題について扱っていきます。

 

 

(例題)次の極限を調べよ。
(1)\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}\sin\displaystyle\frac{nπ}{2}\)

(2)\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}\cos(\sqrt{n+2}-\sqrt{n})\)

(3)\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}\{\log_3(1^2+2^2+\cdots+n^2)-\log_3n^3\}\)

 

 

(解答)
(1)

\(\sin\displaystyle\frac{nπ}{2}\) を列挙すると
\(1,0,-1,0,1,0,-1,0,1\cdots\) と 最初以外は\(1,0,-1,0\) の繰り返しです。

\(\sin\displaystyle\frac{nπ}{2}\) を並べると
\(1,0,-1,0,1,0,-1,0,1\cdots\) より、\(1,0,-1,0\)の繰り返しになる。
よって、この数列は振動する。(極限はない)

(2)

無理式は有理化します。
なお、\(n \to \infty\) のときは \(n+2\) の \(2\)はほとんど無視できて
\(\sqrt{n+2}-\sqrt{n}≒\sqrt{n}-\sqrt{n}=0\)
とある程度は極限の検討はつきます。

\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}\cos(\sqrt{n+2}-\sqrt{n})\)

\(=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\cos\left\{\displaystyle\frac{(n+2)-n}{\sqrt{n+2}+\sqrt{n}}\right\}\)

\(=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\cos\left\{\displaystyle\frac{2}{\sqrt{n+2}+\sqrt{n}}\right\}\)

\(=\cos0\)

\(=1\)

 

(3)

数列の和の公式や、対数の性質を利用します。

\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}\{\log_3(1^2+2^2+\cdots+n^2)-\log_3n^3\}\)

\(=\displaystyle\lim_{n \to \infty}[\log_3\left\{\displaystyle\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)\right\}-\log_3n^3]\)

\(=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\log_3\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)}{n^3}\)

(分子を展開するよりも、1個ずつ\(n\)で割ると楽)

\(=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\log_3\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{1}{6}(1+\displaystyle\frac{1}{n})(2+\displaystyle\frac{1}{n})}{1}\)

\(=\log_3\displaystyle\frac{1}{3}\)

\(=-1\)

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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