漸化式と極限②(分数型、連立型)

分数型や連立型の、漸化式の極限の例題です。

漸化式が解けるなら、解くことが基本となります。

 

 

(例題1)
\(a_1=8\),  \(a_{n+1}=\displaystyle\frac{3a_n+4}{a_n+3}\) (\(n=1,2,3,\cdots\))
で定義される数列\(\{a_n\}\)について

(1)\(b_n=a_n-2\) とおくとき、\(b_{n+1}\) を \(b_n\) で表せ。
(2)\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}a_n\) を求めよ。

 

 

誘導に沿って解きます。分数型の漸化式の解法について詳しくは、→分数型の漸化式(数ⅡB) を参照して下さい。なお \(a_n-2\) の\(2\)は、特性方程式 \(x=\displaystyle\frac{3x+4}{x+3}\) から求めることができます。

(解答)
(1)
\(a_{n+1}-2=\displaystyle\frac{3a_n+4}{a_n+3}-2\)

\(=\displaystyle\frac{a_n-2}{a_n+3}\)

\(b_n=a_n-2\)  (\(a_n=b_n+2\)) より

\(b_{n+1}=\displaystyle\frac{b_n}{b_n+5}\)・・・①

(2)

①は分子に定数項がないので、逆数をとると簡単な漸化式になります。一応 \(b_n≠0\) (\(a_n≠2\)) であることは断っておきます。

\(b_n=0\) つまり \(a_n=2\) と仮定すると、漸化式より

\(2=\displaystyle\frac{3a_{n-1}+4}{a_{n-1}+3}\)

すると \(a_{n-1}=2\) だから、これを繰り返すことで
\(a_{n}=a_{n-1}=\cdots=a_2=a_1=2\)
となるが、\(a_1=8\) と矛盾するので不適。

よって、\(b_n≠0\) だから(1)で求めた漸化式①の逆数をとって

\(\displaystyle\frac{1}{b_{n+1}}=\displaystyle\frac{5}{b_n}+1\)・・・② (\(a_{n+1}=pa_n+q\) 型)

また、\(b_1=a_1-2=6\)

②の特性方程式
\(x=5x+1\) を解くと、\(x=-\displaystyle\frac{1}{4}\)
よって②は次のように変形できる。

\(\displaystyle\frac{1}{b_{n+1}}+\displaystyle\frac{1}{4}=5(\displaystyle\frac{1}{b_n}+\displaystyle\frac{1}{4})\)

ゆえに
\(\displaystyle\frac{1}{b_n}+\displaystyle\frac{1}{4}=5^{n-1}(\displaystyle\frac{1}{b_1}+\displaystyle\frac{1}{4})\)

\(\displaystyle\frac{1}{b_n}=\displaystyle\frac{5}{12}\cdot5^{n-1}-\displaystyle\frac{1}{4}\)

逆数をとって
\(b_n=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{5^n}{12}-\displaystyle\frac{1}{4}}\)

したがって
\(a_n=\displaystyle\frac{12}{5^n-3}+2\)

\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}a_n=2\)

 

 

 

 

(例題2)
正の整数\(n\)に対して、
\((3+2\sqrt{2})^n=a_n+b_n\sqrt{2}\)
で定まる2つの整数\(a_n,b_n\)のなす数列を\(\{a_n\},\{b_n\}\)とする。このとき次の問いに答えよ。

(1)\(a_{n+1}\) および \(b_{n+1}\) を、それぞれ\(a_n,b_n\)を用いて表せ。
(2)\(a_n^2-2b_n^2\)は\(n\)に関係しない一定の値であることを示せ。
(3)\(a_n\) および \(b_n\)を、それぞれ\(n\)の式で表せ。
(4)\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{a_n}{b_n}\) を求めよ。

 

誘導に従っていきます。

(解答)
(1)
\((3+2\sqrt{2})^{n+1}=\color{blue}{a_{n+1}}+\color{blue}{b_{n+1}}\sqrt{2}\) であり

(左辺)\(=(3+2\sqrt{2})^{n+1}=(3+2\sqrt{2})^n(3+2\sqrt{2})\)

\(=(a_n+b_n\sqrt{2})(3+2\sqrt{2})\)

\(=\color{blue}{(3a_n+4b_n)}+\color{blue}{(2a_n+3b_n)}\sqrt{2}\)

\(a_n,b_n\)は整数(有理数)だから、係数比較して
\(a_{n+1}=3a_n+4b_n\)
\(b_{n+1}=2a_n+3b_n\)

 

(2)

\(a_n^2-2b_n^2\) が一定なので
\(a_{n+1}^2-2b_{n+1}^2=a_n^2-2b_n^2\) を示せばよいことになります。

\(a_{n+1}^2-2b_{n+1}^2\)

( (1)の結果を用いて)

\(=(3a_n+4b_n)^2-2(2a_n+3b_n)^2\)
\(=a_n^2-3b_n^2\)

よって
\(a_n^2-2b_n^2=a_{n-1}^2-2b_{n-1}^2=\cdots=a_1^2-2b_1^2=1\)
(\(a_1=3\), \(b_1=2\) より)

\(a_n^2-2b_n^2=1\) で\(n\)によらず一定である。

 

(3)

(1)の連立漸化式を解くより、
与式 \((3+2\sqrt{2})^n=a_n+b_n\sqrt{2}\) と
(2)で求めた \(a_n^2-2b_n^2=1\) の2式から、片方の数列を消去することで求めたほうが楽です。2番目の式は因数分解するとよいでしょう。

\(a_n+b_n\sqrt{2}=(3+2\sqrt{2})^n\)・・・①
\(a_n^2-2b_n^2=1\)・・・②

②より
\((a_n+b_n\sqrt{2})(a_n-b_n\sqrt{2})=1\)
よって①より
\(a_n-b_n\sqrt{2}=\displaystyle\frac{1}{(3+2\sqrt{2})^n}\)
分母を有理化すると

\(a_n-b_n\sqrt{2}=(3-2\sqrt{2})^n\)・・・③

(①+③)÷2 より
\(a_n=\displaystyle\frac{1}{2}\{(3+2\sqrt{2})^n+(3-2\sqrt{2})^n\}\)

(①-③)÷\(2\sqrt{2}\) より
\(b_n=\displaystyle\frac{\sqrt{2}}{4}\{(3+2\sqrt{2})^n-(3-2\sqrt{2})^n\}\)

(参考)
共役な無理数の\(n\)乗についても、同じ\(a_n,b_n\)を用いて
\((3-2\sqrt{2})^n=a_n-b_n\sqrt{2}\)・・・(③と同じ式)
と表すことができます。これは左辺を2項展開すると\(\sqrt{2}\)の係数だけ\((3+2\sqrt{2})^n\)のとき比べて符号が変わることからも分かりますが、丁寧にやるなら(1)のように漸化式を導くと全く同じ漸化式になることと、初期条件が同じであることから示すことになります。

 

(4)

(3)より\(\displaystyle\frac{a_n}{b_n}\)を計算します。
\(3+2\sqrt{2}\) は1より大きい数で、\(3-2\sqrt{2}\) は\(1\)より小さい数であることは意識するとよいでしょう。

\(\displaystyle\frac{a_n}{b_n}\)

\(=\sqrt{2}\cdot\displaystyle\frac{(3+2\sqrt{2})^n+(3-2\sqrt{2})^n}{(3+2\sqrt{2})^n-(3-2\sqrt{2})^n}\)

分母分子 \((3-2\sqrt{2})^{n}\) 倍して (\((3+2\sqrt{2})^n\)で割って)

\(=\sqrt{2}\cdot\displaystyle\frac{1+(3-2\sqrt{2})^{2n}}{1-(3-2\sqrt{2})^{2n}}\)

\(0<3-2\sqrt{2}<1\) だから

\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{a_n}{b_n}=\sqrt{2}\)

 

(参考)
\(\displaystyle\frac{a_n}{b_n}=\sqrt{2}\cdot\displaystyle\frac{1+(3-2\sqrt{2})^{2n}}{1-(3-2\sqrt{2})^{2n}}=\sqrt{2}\left\{-1+\displaystyle\frac{2}{1-(3-2\sqrt{2})^{2n}}\right\}\)

\(1-(3-2\sqrt{2})^{2n}\) は正の数で単調増加するので、\(\displaystyle\frac{a_n}{b_n}\) は単調減少することになります。極限は\(\sqrt{2}\)なので、\(\displaystyle\frac{a_n}{b_n}\) は\(n\)が増えるとどんどん\(\sqrt{2}\)に近づきます。よって\(a_n,b_n\)はすべて整数なので\(\sqrt{2}\)の近似値を求めることができ、\(n\)を大きくすることでその精度を高めることができます。
なお本問は単調減少しながら\(\sqrt{2}\)に近づきますが、場合によっては極限値\(α\)の付近を行ったり来たりしながら(振動しながら)近づくこともあります。

 

 

 

以上なります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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