定義域が動く 最大最小

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2次関数に変数の定数がなく(固定された2次関数)、区域の両端が変数の場合の最大最小値を考えていきます。軸(頂点)と定義域の位置関係で場合わけという基本的な考え方は →(4-3)定義域が広がる最大最小 と変わりません。

 

(問題)
\(y=f(x)=x^2-2x+2\) \((a≦x≦a+2\))について
(1)最大値を求めよ (2)最小値を求めよ

関数が固定されたもので、定義域の両端が変数です。ただ、\((a+2)-a=2=\)(定数)なので、区域の幅は2で固定です。幅2の区域が動くイメージです。
場合分けは軸と定義域の位置関係に着目します。

(解答)

\(y=f(x)=(x-1)^2+1\)

(1)
下に凸のグラフの最大値なので、左端か右端の値になります。左端と右端の\(y\)座標が等しいときは区域の中央に軸が位置する場合なので、
(区域の中央)\(=\displaystyle\frac{(a+2)+a}{2}=a+1\) から
\(a+1=1\) より
\(a=0\)が場合分けの境目です。

(ア)
\(a<0\)のとき
定義域動く 2次関数1
グラフより最大値は\(x=a\)のとき
\(f(a)=a^2-2a+1\)

(イ)
\(a=0\)のとき

定義域動く 2次関数2

最大値は\(x=a,a+2\) つまり\(x=0,2\)のとき
\(f(0)=f(2)=2\)

(ウ)
\(a>0\)のとき

定義域動く 2次関数3

最大値は、\(x=a+2\)のとき
\(f(a+2)\)
\(=(a+1)^2+1\)
\(=a^2+2a+2\)

(イ)の\(a=0\)を(ア)か(ウ)に含ませても構いません。(イ)は\(x=a\) または \(x=a+2\)で最大値をとるので、\(x=a\)で最大値をとる(ア)、\(x=a+2\)で最大値をとる(ウ)に含ませても成り立つからです。

 

(2)
最小値は、下に凸のグラフなので区域内に軸(頂点)が含まれるか、含まれないかで場合分けします。軸が含まれない場合は、軸が区域の右側にある場合と左側にある場合で分けます。
区域の右側に軸がある場合(区域のほうが左側)は、\(a+2<1\)よりこれを解いて、\(a<-1\)・・・①
区域の中に軸がある場合は、\(a≦1≦a+2\)よりこれを解いて \(-1≦a≦1\)・・・②
区域の左側に軸がある場合(区域のほうが右側)は、\(a>1\)・・・③
これら3通りそれぞれで考えていきます。
①\(a<-1\)のとき
定義域動く 2次関数4
グラフより最小値は\(x=a+2\)のとき
\(f(a+2)=a^2+2a+1\)
②\(-1≦a≦1\)のとき
定義域動く 2次関数5
最小値は\(x=1\)のとき(頂点)
\(f(1)=1\)
③\(a>1\)のとき
定義域動く 2次関数6
最小値は \(x=a\)のとき
\(f(a)=a^2-2a+2\)
(1)と(2)を合わせたとき、つまり最大最小値を同時に考えた場合、境目は\(a=-1,0,1\)なので (ⅰ)\(a<-1\) (ⅱ)\(-1≦a<0\) (ⅲ)\(a=0\) (ⅳ)\(0<a≦1\) (ⅴ)\(a>1\) の5通りになります。→(4-1)2次関数の最大最小(基礎) の一般的な場合で5通りに場合分けした理由が分かったでしょうか

 

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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