場合の数で →(1-5)約数の個数と総和と総乗 のところでも触れました。
まずは、約数とその総和について軽くおさらいします。
・約数の個数と総和
例えば、504の正の約数の個数とその総和について考えてみます。504を素因数分解すると、
\(504=2^3・3^2・7\)
です。
正の約数の個数は、2の取り出し方(0~3個の4通り)、3の取り出し方(0~2個の3通り)、7の取り出し方(0~1個の2通り)を考えて
\((3+1)(2+1)(1+1)=24\)(個)
約数の個数は、指数に1を足したものの積となります。
また、すべての正の約数の和は、次の式を考えれば求めることができます。
\((1+2+2^2+2^3)\)\((1+3+3^2)(1+7)\)・・・①
①を展開すると4×3×2=24 (個) の項ができて、それぞれの項は異なる約数となっているので①を計算すれば約数の和が求まります。
以上をまとめると次のようになります。
\(n=p_1^{a_1}・p_2^{a_2}・・・p_{m}^{a_m}\)
このとき正の約数の個数は
\((a_1+1)(a_2+1)\)\(・・・(a_{m}+1)\) (個)
正の約数の総和は
\((1+p_1+p_1^2+・・・+p_1^{a_1})\)・・・
\(×(1+p_m+p_m^2+・・・+p_m^{a_m})\)
以下例題です。
(例題1)
756の正の約数のうち、奇数であるものの総和を求めよ。
(解答)
\(756=2^2・3^3・7\)
奇数である約数は2で割り切れないので、その総和は、
\((1)(1+3+3^2+3^3)(1+7)=\)\(320\)
(例題2)
\(24^n\)の正の約数の個数が21個となるような、自然数\(n\)を求めよ。
(解答)
\(24^n=(2^3・3)^n=2^{3n}・3^{n}\)
よって約数の個数は \((3n+1)(n+1)\) (個)だから
\((3n+1)(n+1)=21\)
これを解いて
\(3n^2+4n-20=0\)
\((3n+10)(n-2)=0\)
\(n\)は自然数だから、\(n=2\)
(例題3)
\(18\)の倍数で、正の約数の個数が15個である自然数\(n\)を求めよ。
①\(p^{14}\) ②\(p^2q^4\)
のどちらかで\(n\)は表されます。
(解答)
約数が15(=1×15=3×5)個なので、異なる素数\(p,q\)を用いると
①\(p^{14}\) ②\(p^2q^4\)
のどちらかで\(n\)は表される。
ここで、\(18=2・3^2\) より①は不適。よって②の場合を考えて
(1)\(p=2\) \(q=3\) のとき
\(n=2^2・3^4=18×18=324\) だから適する。
(2)\(p=3\),\(q=2\) のとき
\(n=3^2・2^4=12×12=144\) だから適する。
したがって
\(n=324,144\)
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。