整式・方程式と整数①

 

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整式や方程式と整数に関する問題について見ていきます。

 

 

(例題1)
方程式 \(x^3-3x-1=0\) の解\(α\)について、次のことを示せ。
(1)\(α\)は整数ではない。
(2)\(α\)は有理数ではない。

 

 

 

どちらも「でない」ことの証明です。背理法をつかって証明します。

(解答)
(1)

\(α=m\) (\(m\)は整数) と仮定する。

\(α=m\) を方程式に代入して
\(m^3-3m-1=0\)
\(m^3-3m=1\)
\(m(m^2-3)=1\)
\(m\),\(m^2-3\)は整数なので、\(m=±1\) であるが
\(x=±1\) を 方程式に代入しても成り立たないので矛盾。

よって、\(α\)は整数ではない。

 

(2)

有理数は、\(\displaystyle\frac{q}{p}\)  (\(p,q\)は互いに素である整数, \(p≠0\))と表せます。これを方程式に代入して矛盾を示します。
最終的には(1)の結果も利用します。

\(α=\displaystyle\frac{q}{p}\)  (\(p,q\)は互いに素である整数, \(p≠0\))

と仮定する。

方程式に代入して
\((\displaystyle\frac{q}{p})^3-3(\displaystyle\frac{q}{p})-1=0\)

両辺に\(p^3\)をかけて

\(q^3-3p^2q-p^3=0\)

 

\(p,q\)のどちらかでくくります。解答では\(p\)でくくっています。
すると\(q^3\)が\(p\)の倍数となります。

\(q^3=3p^2q+p^3\)
\(q^3=p(3pq+p^2)\)

右辺は\(p\)の倍数だから、\(q^3\)は\(p\)の倍数であり、\(q\)も\(p\)の倍数。・・・(注)
\(p,q\)は互いに素なので、\(p=±1\)となるしかない。
すると、\(α=\displaystyle\frac{q}{p}=\displaystyle\frac{q}{±1}=±q\)
であり、\(α\)は整数となる。しかし(1)の結果より方程式が整数解をもたないことに矛盾。

よって、\(α\)は有理数ではない。

 

(注)について
「\(q^3\)が\(p\)の倍数ならば、\(q\)は\(p\)の倍数である」ことは明らかであると考える方は多いと思いますが、対偶 「\(q\)が\(p\)の倍数でないならば、\(q^3\)は\(p\)の倍数でない」が真であることから、もとの命題が真であることがわかります。

 

 

 

(例題2)
任意の整数値\(x\)に対して、関数 \(f(x)=ax^2+bx+c\) が整数となるための必要十分条件は、
\(2a\), \(a+b\), \(c\) が整数であること
を証明せよ。

 

 

 

「任意の整数\(x\)で \(f(x)=ax^2+bx+c\) が整数」 \(\leftrightarrow\) 「\(2a\), \(a+b\), \(c\) が整数」 の証明です。→ と ← それぞれ分けて示します。

(解答)

→を示すとき、「任意の整数\(x\)で \(f(x)=ax^2+bx+c\) が整数」なので、\(x\)に適当な整数を代入して役に立ちそうなものを選びます。

まず
(i)「任意の整数\(x\)で \(f(x)=ax^2+bx+c\) が整数」 \(\rightarrow\) 「\(2a\), \(a+b\), \(c\) が整数」・・・(A) を示す。

任意の整数\(x\)について\(f(x)\)は整数なので
\(f(0)=\)(整数)\(=c\)・・・①
\(f(1)=\)(整数)\(=a+b+c\)・・・②
\(f(-1)=\)(整数)\(=a-b+c\)・・・③

①より\(c\)は整数なので、②から\(a+b\)も整数。
②+③より、\((a+b+c)+(a-b+c)\)\(=2a+2c\) は整数なので、\(2a\)は整数。

よって、(A)は示された。

 

次に
(ii)「\(2a\), \(a+b\), \(c\) が整数」\(\rightarrow\) 「任意の整数\(x\)で \(f(x)=ax^2+bx+c\) が整数」・・・(B) を示す。

\(2a\), \(a+b\), \(c\) が整数のとき
①\(a,b,c\)はすべて整数
②\(a,b\)の小数部分が\(0.5\)、\(c\)は整数
の2通りが考えられる。

①のときは、任意の整数\(x\)で \(f(x)=ax^2+bx+c\) が整数であることは明らかである。

 

②のときは、\(a=s+0.5\), \(b=t+0.5\)  (\(s,t\)は整数) とおけます。
\(0.5\)の部分が消えそうな場合分け、\(x\)が偶奇で場合分けします。

 

②のとき
\(a=s+0.5\), \(b=t+0.5\)  (\(s,t\)は整数) とおけ

\(x\)の偶奇で場合分けすると

(ア)\(x=2k\) (\(k\)は整数) のとき、
\(f(x)\)
\(=ax^2+bx+c\)
\(=(s+0.5)(2k)^2+(t+0.5)(2k)+c\)
\(=4k^2s+2k^2+2kt+k+c\)
\(=\)(整数)

(イ)\(x=2k+1\) (\(k\)は整数) のとき、
\(f(x)\)
\(=ax^2+bx+c\)
\(=(s+0.5)(2k+1)^2+(t+0.5)(2k+1)+c\)
\(=(s+0.5)(4k^2+4k+1)+(2kt+t+k+0.5)+c\)
\(=(4k^2s+4ks+s+2k^2+2k+0.5)+(2kt+t+k+0.5)+c\)
\(=(4k^2s+4ks+s+2k^2+2k)+(2kt+t+k)+1+c\)
\(=\)(整数)

よって、(B)は示された。

 

以上より、題意は示された。

 

 

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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