指数方程式と有理数解

指数方程式の有理数解に関する問題について見ていきます。

 

(例題)
(1)\(2^r=3\) を満たす\(r\)は有理数でないことを示せ。
(2)\(2^x3^{-2y}=3^x2^{y-6}\) を満たす有理数\(x,y\)を求めよ。

 

 

 

(解答)
(1)

\(\sqrt{3}\)が無理数であることの証明の場合と同様に、\(r=\displaystyle\frac{n}{m}\) (有理数)と仮定して、矛盾を導きます。(背理法)

\(3>1\) より、\(r\)は正の数。

ここで与式を満たす\(r\)は有理数であると仮定すると、

\(r=\displaystyle\frac{n}{m}\) (\(m,n\)は互いに素な整数)

とおける。

与式より
\(2^{\frac{n}{m}}=3\)
両辺\(m\)乗して
\(2^{m}=3^{n}\)・・・①

\(m,n\)は正の整数より、①の左辺は2の倍数であるが、右辺は2の倍数でないため矛盾。

したがって、\(r\)は有理数ではない。

 

ちなみに\(r\)は、与式を両辺 底2の対数 をとることで、
\(r=\log_{2}3\)
と表せます。もちろんこれは無理数ですが、その証明方法は解答と同じになります。

 

(2)

(1)が利用できるように、底2,3でまとめて、\(2^{有理数}=3\) の形にします。

\(2^x3^{-2y}=3^x2^{y-6}\) より

\(2^x2^{-y+6}=3^x3^{2y}\)
\(2^{x-y+6}=3^{x+2y}\)・・・・②

\(x+2y≠0\) の場合、②の両辺を \(\displaystyle\frac{1}{x+2y}\) 乗 すると(1)の形になりますが、\(2^{有理数}=3\) になるので不適です。よって \(x+2y=0\) が成り立つことになります。

ここで、\(x+2y≠0\) のとき②の両辺を\(\displaystyle\frac{1}{x+2y}\)乗して

\(2^{\frac{x-y+6}{x+2y}}=3\)

\(x,y\)は有理数なので、\(\displaystyle\frac{x-y+6}{x+2y}\) も有理数となるが、
(1)より \(2^{r}=3\) を満たす\(r\)は有理数でないので不適。

よって \(x+2y=0\)・・・③

②に代入して
\(2^{x-y+6}=1\) となるので
\(x-y+6=0\)・・・④

③④より \(x,y\) を求めると
\(x=-4\), \(y=2\)

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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