対数関数の最大最小①

対数関数を含む関数の最大最小問題についてみていきます。

 

(例題1)
関数
\(f(x)=(\log_{4}2x)^2+\displaystyle\frac{1}{2}\log_{2}\sqrt{2x}-\log_{4}x+1\)
の最小値とそのときの\(x\)の値を求めよ。

 

 

(解答)

まずは真数条件をチェックして底の統一(2か4)をします。
4で統一するとして、\(\log_{4}x\) のみの式で表すように変形していきます。

真数条件より \(x>0\)

\(f(x)\)

\(=(\log_{4}2x)^2+\displaystyle\frac{1}{2}\log_{2}\sqrt{2x}-\log_{4}x+1\)

\(=(\log_{4}2+\log_{4}x)^2+\displaystyle\frac{1}{2}\cdot\displaystyle\frac{1}{2}(\log_{2}2+\log_{2}x)-\log_{4}x+1\)

\(=(\displaystyle\frac{1}{2}+\log_{4}x)^2+\displaystyle\frac{1}{4}+\displaystyle\frac{1}{4}\cdot\displaystyle\frac{\log_{4}x}{\log_{4}2}-\log_{4}x+1\)

\(=(\displaystyle\frac{1}{2}+\log_{4}x)^2-\displaystyle\frac{1}{2}\log_{4}x+\displaystyle\frac{5}{4}\)

\(=(\log_{4}x)^2+\displaystyle\frac{1}{2}\log_{4}x+\displaystyle\frac{3}{2}\)

\(\log_{4}x\) の2次式(2次関数)なので、平方完成。
なお、\(t=\log_{4}x\) は実数全体の値をとります。(範囲はあんまり気にしなくてよいということです)

\(=(\log_{4}x+\displaystyle\frac{1}{4})^2+\displaystyle\frac{23}{16}\)

よって最小値は \(\log_{4}x=-\displaystyle\frac{1}{4}\)・・・① のとき
\(\displaystyle\frac{23}{16}\)

①より \(x\)\(=4^{-\frac{1}{4}}=2^{-\frac{1}{2}}\)\(=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}\)

 

 

(例題2)
\(2≦x≦5\) において
\(f(x)=\log_{a}(x^2-6x+18)\)
の最小値を \(m(a)\) とするとき、次の問いに答えよ。ただし \(a>0\), \(a≠1\) とする。

(1)\(m(a)\) を求めよ。
(2)\(m(a)=2\), \(m(a)=-2\) である\(a\)の値をそれぞれ求めよ。

 

 

\(\log\) の中身は文字定数もないただの2次関数です。平方完成してとりうる値の範囲を調べます。

(解答)
(1)
\(f(x)\)
\(=\log_{a}(x^2-6x+18)\)
\(=\log_{a}\{(x-3)^2+9\}\)

\(x=3\) は 条件 \(2≦x≦5\) にあうので、\(x=3\) のとき 最小値 \(\log_{a}9\) とやってしまうのはダメです。底\(a\)が\(1\)より大きいときはそれでよいのですが、底\(a\)が\(1\)より小さいときは大小関係が入れ替わり、\(\log\) の中身が最大値をとるときに\(\log\)全体としては最小値をとるからです。よって\(a\)が1より大きいか小さいかできちんと場合分けします。

ここで、\(2≦x≦5\) より 2次関数の最大最小値を考えて
\(9≦(x-3)^2+9≦13\)

(ア) \(0<a<1\) のとき
\(Y=\log_{a}X\) は単調減少だから
\(\log_{a}13≦f(x)≦\log_{a}9\)

したがって最小値は \(\log_{a}13\)

(イ) \(a>1\) のとき
\(Y=\log_{a}X\) は単調増加だから
\(\log_{a}9≦f(x)≦\log_{a}13\)

したがって最小値は \(\log_{a}9\)


\(0<a<1\)  \(m(a)=\log_{a}13\)
\(a>1\) \(m(a)=\log_{a}9\)

 

(2)

\(Y=\log_{a}X\) のグラフを考えると(1)で求めた\(m(a)\)はどちらも真数が\(1\)より大きく、\(a\)の値でグラフの形状が異なり
①\(\log_{a}13\) (\(0<a<1\)) は負の値
②\(\log_{a}9\) (\(a>1)\) は正の値 です。
(正負に着目せず\(m(a)=2,-2\) のそれぞれ①②の両方の場合を考えてもよいです。一方が不適になるだけで結局解答と同じになります)

①\(m(a)=\log_{a}13<0\) (\(0<a<1\))
②\(m(a)=\log_{a}9>0\) (\(a>1)\)
だから

\(m(a)=2\) のときは②の場合で
\(\log_{a}9=2\)
\(a^2=9\)
\(a>1\) より
\(a=3\)

\(m(a)=-2\) のときは①の場合で
\(\log_{a}13=-2\)
\(\displaystyle\frac{1}{a^2}=13\)
\(0<a<1\) より
\(a=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{13}}\)

 

 

(例題3)
\(x>1\), \(y>1\) のとき
\(\log_{x}y+\log_{y}x\)
の最小値を求めよ。

 

 

(解答)

底を\(x\)に統一すると与式は
\(\log_{x}y+\displaystyle\frac{1}{\log_{x}y}\) (逆数の和)
です。分かりやすく\(\log_{x}y=t\) とすると、\(t+\displaystyle\frac{1}{t}\) であり、\(x>1\), \(y>1\) から \(t>0\) なので相加相乗平均が使える形です。

\(x>1\), \(y>1\) より
\(\log_{x}y>0\)

相加相乗平均の不等式から

\(\log_{x}y+\log_{y}x\)
\(=\log_{x}y+\displaystyle\frac{1}{\log_{x}y}\)
\(≧2\sqrt{\log_{x}y\cdot\displaystyle\frac{1}{\log_{x}y}}\)
\(=2\)

つまり
\(\log_{x}y+\log_{y}x≧2\)

等号は \(\log_{x}y=\displaystyle\frac{1}{\log_{x}y}\) のとき
\((\log_{x}y)^2=1\)
\(\log_{x}y=1\)
つまり
\(x=y\) のとき成立

したがって
最小値 \(2\) (\(x=y\))

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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