等比数列の基礎です。
・等比数列
数列
\(2,6,18,54,162,486,\cdots\)
は、初項\(2\)に\(3\)を次々と掛けることによって得られ、ある項とその1つ前の項の比の値が常に\(3\)で一定です。
一般に数列
\(a_1,a_2,\cdots,a_n,a_{n+1},\cdots\)
において、各項に一定の数\(r\)を掛けると次の項が得られるとき、この数列を等比数列といい、比の値\(r\)を公比とよびます。このとき、隣り合う項\(a_n,a_{n+1}\)には次のような関係があります。
\(a_{n+1}=ra_{n}\)・・・① (前の項に\(r\)を掛けると次の項が得られる)
ここで、初項\(a_1\)と公比\(r\)がどちらも\(0\)でないときは、どの項も\(0\)にはらないので①より
\(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{a_n}=r\) (隣の項との比は\(r\)で一定)
となります。
また例えば、数列 \(2,2,2,2\cdots\) は、初項\(2\)公比\(1\)の等比数列ですが、初項\(2\)公差\(0\)の等差数列でもあります。
次に、等比数列の一般項がどうなるかを考えます。
数列\(\{a_n\}\)が初項\(a\)、公比\(r\)の等比数列であるとき
\(a_1=a\)
\(a_2=ar=ar^{2-1}\)
\(a_3=ar×r=ar^2=ar^{3-1}\)
\(a_4=ar^2×r=ar^3=ar^{4-1}\)
\(\cdots\)
\(a_n\)は初項\(a\)に公比\(r\)を\((n-1)\)回掛けたものになるので、一般項\(a_n\)はつぎのようになります。
\(a_n=ar^{n-1}\) (等比数列の一般項)
(例題1)
\(□,-6,2,□,\cdots\) は等比数列である。\(□\)に入る数字を求めよ。また一般項も求めよ。
(解答)
\(a_1,-6,2,a_4\) とすると、公比\(r\)は
\(r=\displaystyle\frac{2}{-6}\)\(=-\displaystyle\frac{1}{3}\)
よって
\(-6=-\displaystyle\frac{1}{3}a_1\) より
\(a_1=18\)
また
\(a_4=-\displaystyle\frac{1}{3}\cdot2\)
\(a_4=-\displaystyle\frac{2}{3}\)
したがって一般項は、初項\(18\)、公比\(-\displaystyle\frac{1}{3}\)より
\(a_n=18×(-\displaystyle\frac{1}{3})^{n-1}\)
(例題2)
等比数列\(\{a_n\}\)において、\(a_2=2-\sqrt{2}\), \(a_4=10-7\sqrt{2}\) である。この数列\(\{a_n\}\)の一般項を求めよ。
(解答)
\(a_n=ar^{n-1}\) とおくと
\(ar=2-\sqrt{2}\)・・・①
\(ar^3=10-7\sqrt{2}\)・・・②
②より
\(ar\cdot r^2=10-7\sqrt{2}\)
①を代入して
\(r^2(2-\sqrt{2})=10-7\sqrt{2}\)
\(r^2=\displaystyle\frac{10-7\sqrt{2}}{2-\sqrt{2}}\)
\(=3-2\sqrt{2}\) (\(>0\))
よって
\(r=±\sqrt{3-2\sqrt{2}}\)
\(=±\sqrt{(\sqrt{2}-1)^2}\)
\(=±(\sqrt{2}-1)\)
①より
\(a=\displaystyle\frac{2-\sqrt{2}}{r}\)
\(=\displaystyle\frac{2-\sqrt{2}}{±(\sqrt{2}-1)}\)
\(=\displaystyle\frac{\sqrt{2}(\sqrt{2}-1)}{±(\sqrt{2}-1)}\)
\(=±\sqrt{2}\)
したがって一般項は
\(a_n=\sqrt{2}(\sqrt{2}-1)^{n-1}\)
または
\(a_n=-\sqrt{2}(1-\sqrt{2})^{n-1}\)
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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