今回は対称式と基本対称式について学んでいきましょう。
因数分解のところでも紹介しましたが、対称式についておさらいです。
複数文字があって大変なので、まずは2文字 \(x,y\) から考えていきます。
\(x+y=\sqrt{3}\)、 \(xy=1\) のとき次の値を求めよ。
この性質を利用して①~④を解いていきましょう。
① \(x^2+y^2\)
\(=(x+y)^2-2xy\)
\(=(\sqrt{3})^2-2・1\)
\(=1\)
(\(x^2+y^2\)を作り出すために、\((x+y)^2\)を考えて不要な\(2xy\)を引いています。)
同様に②では、\((x+y)^3\)を考えます。
②\(x^3+y^3\)
\(=(x+y)^3\)\(-(3x^2y+3xy^2)\) ←余分なものを引く
\(=(x+y)^3-3xy(x+y)\)
\(=(\sqrt{3})^3-3・1・\sqrt{3}\)
\(=0\)
③\(x^4+y^4\)
\(=(x^2+y^2)^2\)\(-2x^2y^2\)
\(=1^2-2・1^2\) ←(①を利用)
\(=-1\)
④\(x^5+y^5\)
\(=(x^2+y^2)(x^3+y^3)\)\(-(x^2y^3+x^3y^2)\)
\(=(x^2+y^2)(x^3+y^3)\)\(-x^2y^2(x+y)\)
\(=1・0-1^2\sqrt{3}\) ←(①、②を利用)
\(=-\sqrt{3}\)
同様に\(x^6+y^6\)・・・と計算できますが、次の等式(漸化式)を利用してもよいでしょう。
\(=(x+y)(x^{n-1}+y^{n-1})-xy(x^{n-2}+y^{n-2})\)
\(T_n=(x+y)\) \(T_{n-1}-xy\) \(T_{n-2}\)
\(=T_6\)
\(=(x+y)T_5-xyT_4\)
\(=\sqrt{3}(-\sqrt{3})-1・(-1)\)
\(=-2\)
類題もやっておきます。
(類題)
\(a+\displaystyle\frac{1}{a}=2\sqrt{5}\)のとき次の値を求めよ。
①\(a^2+\displaystyle\frac{1}{a^2}\) ②\(a^3+\displaystyle\frac{1}{a^3}\)
\(=18\)
②\(a^3+\displaystyle\frac{1}{a^3}\)
\(=(a+\displaystyle\frac{1}{a})^3-3(a+\displaystyle\frac{1}{a})\)
\(=34\sqrt{5}\)
次回は3文字の対称式についてみていきましょう。
以上です。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。