高次式の値と次数下げ

\(x\)の整式 \(f(x)\)について\(f(a+bi)\)を求めるには、ダイレクトに代入すると大変なので工夫が必要になってきます。
(無理数(実数)の場合はこちら  →(3-7)高次式の次数下げ (数ⅠA)   やり方は複素数のときと同様です)

 

(例題)
\(x=3+2i\) のとき、\(x^3-5x^2+7x+5\) の値を求めよ。

 

 

2つの解法を紹介します。
1つ目は割り算を用いる方法、2つ目は次数を下げる方法です。

(解法1)割り算を利用する方法

\(x=3+2i\) を解にもつ2次方程式を作成します。
\(x-3=2i\)と変形して2乗してもよいですし、実数係数の2次方程式の解の1つが虚数ならば、もう1つの解はその共役な複素数であることを利用して、もう1解を\(x=3-2i\)として、解と係数の関係から作成してもよいです。

\(x=3+2i\)より
\(x-3=2i\) で両辺を2乗して
\(x^2-6x+9=-4\)
\(x^2-6x+13=0\)・・・①

\((x^3-5x^2+7x+5)\)\(÷(x^2-6x+13)\) を計算すると、商は \(x+1\)、余りは \(-8\)なので

\(x^3-5x^2+7x+5\)
\(=(x^2-6x+13)(x+1)-8\)

\(f(x)=x^3-5x^2+7x+5\) とおくと①より
\(f(3+2i)=\)\(0\)\(×(x+1)-8=\)\(-8\)

 

\(x^2-6x+13\)に\(x=3+2i\)を代入すると\(0\)になるところがポイントです。
\(x=3+2i\)を解に持つ2次式①を作成し、割った理由はここにあります。

 

 

(解法2)次数下げをする方法
\(x^2-6x+13=0\)・・・①を導くところまでは(解法1)と同じ。

①より \(x^2=6x-13\) なので、2乗を1乗の形で表すことができ、これを繰り返し使うことで\(x^3,x^2\)の次数をどんどん下げて1次式にします。

①より \(x^2=6x-13\) だから
\(x^3=x・x^2=x(6x-13)\)\(=6x^2-13x=6(6x-13)-13x\)\(=23x-78\)

よって
\(x^3-5x^2+7x+5\)
\(=(23x-78)-5(6x-13)+7x+5\)
\(=\)\(-8\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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